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平方録

植木屋に褒められちゃった ♪

植木屋に頼んで庭木の剪定をしてもらった。
銘木があるわけではなく、カツラやヤマボウシ、ハナミズキ、ザイフリボクなどの落葉雑木と目隠しの常緑樹にキンモクセイやツバキを植えているにすぎないが、山の神が「風通しを良くしたい」というものだから、ここ数年は毎年頼んでいる。

元々、カツラやコナラ、ナンキンハゼなどが茂る雑木林のど真ん中に家を建てて住みたかったのだが、首都圏の人口密集地ではそれも難しい。
仕方なく、わずかばかりの土地に所狭しとお気に入りの雑木を植えて、なんとか雑木林の雰囲気でもと思ってきた。
しかし、雑木の生命力はたくましく、その成長は目覚ましいものがあって、特に成長の早いナンキンハゼは庭を覆いつくさんばかりに枝葉を広げ、秋の落葉の見事さとは裏腹に、その始末が大変で、2本のうち1本は道路際に植えたこともあって落ち葉掃除を担当する山の神の頭に角が生えるありさまだった。

ボクは秋に木々の葉が落ちるのは自然の摂理だから、そのままにしておけばいいではないかという主張を繰り返してきたのだが、「そんなわけにはいきません!」と角は伸びるばかり…
やむなく時期こそズレたが、2本とも伐採する羽目に陥った。
道路側の1本は電線に枝がかかり、普段は何でもないが、台風が近づくと電線が切れやしないかと冷や冷やしたので仕方がなかった。
特に、一昨年の房総半島を大停電に陥れた台風や、その後にやってきて鎌倉を取り巻く山々の木々を無残なほどなぎ倒し、ハイキングコースをズタズタにした台風の時はさすがに肝を冷やした。

庭の真ん中に枝葉を広げていた1本はGoogle Mapの空撮でもすぐにそれと分かるくらいに見事なものだった。
でもバラを日陰に追いやったりするようになり、ついに泣きの涙で伐採を決断したのだった。
春の新緑、初夏には猫じゃらしを細長くしたような花がぶら下がり、夏はセミの集合住宅が出現する。秋から冬にかけては銀色の実が美しいばかりではなく、鳥たちが食事にやって来て早朝から賑わった。
広い庭が欲しかった…

今や庭の主役に躍り出た株立ちのカツラは幹が8~9本もあって、なかなかいい風情をかもしている。
葉が茂っている時には気付かなかったが、とても小さなサイズの鳥の巣が2つもあるのに気付いた。
主は誰だろう。シジュウカラ? メジロ? 
今年もヒナが生まれるんだろうか。怖がらせないように注意しながら確かめてみたい。
もう間もなくだと思うが、芽吹きの前に目立たないが赤くて小さな花が咲く。しかし、わが家のカツラはどういう訳か毎年という訳でもない。
巣とヒナ同様、こちらも気になる。
自然界の営みを切り取った美しく、時には実に珍しい光景を写真に撮って紹介してくれている女流画家のブロ友さんは「黄葉した葉にはキャラメルのような香りを感じる」と書いている。
ボクはまだキャラメルを口に入れるには至っていないのが残念だ。

植木屋に「ゴクロウサマ」と声をかけ、自転車で出かけようとしたら、若い植木職人が「さすがつるバラの誘引は見事ですねぇ~」と、多分お追従の類だろうが、褒め言葉を投げてよこした。
おだてられて怒りだす人間はあまりいないだろう。
ボクもちょっと頬が緩んで「そう? ありがとう」と気分良くペダルを漕ぎだす。
自転車で切り裂く空気がこれまでと違ってだいぶ緩んできていることを実感した。


酷い強風が何日も吹き荒れて、偵察に行った湘南海岸自転車道は一部で砂に埋もれていたが、防砂柵が新調されたばかりだったこともあってか、思ったほどひどくはなかった
とは言え、自転車は降りて押していかねば前に進まないが、除砂作業は短時間で済みそうだ

4mの道幅はだいぶ狭まっているが、速度を落とせば何とかすれ違えるほどのスペースが残っているところが多かったのは、やはり防砂柵が新しくなった効果だと思う
コース上では除さ作業が始まっていたが、全線で1日も早く堆砂をどかしてほしい

天気は下り坂の予報で、視界は良くなかった

のたりのたり…そんな表現も使えないほど海はのっぺりとしている

波がないのでさすがにサーファーは少ない
*見出し写真はせん定で切り取ったツバキの花(名前不詳)
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