今年も鎌倉・由比ガ浜海岸の一角でワカメ干しが始まり、深緑色の海草が海風に揺れている。
干されているワカメは天然物と養殖物の両方だそうだが、多かったのは2月15日に解禁されたばかりの天然物の方で、漁師の話では今年の出来具合は「いいですよぉ~♪」だった。
養殖物の方も出来具合はいいそうで、去年が種付け段階でうまく行かず不漁だったので、ほっと胸をなでおろしている様子だった。
鎌倉の海岸にワカメが干されるようになると、春はいよいよ後戻りのない確かなものになって行く♪
話を聞いた漁師によると「日本列島、ほとんどの海域でワカメが採れ、ほとんどは養殖だが、どこもほんの少しだけ天然物が存在する。これはびっくりするほどおいしいが、そもそも収穫量が少ないからなかなか手に入らないんですよ。鎌倉の天然物も貴重で、なかなか手に入れにくいですよ」と言っていた。
わが家では例年、山の神が海岸に近い酒屋で「天然物」をゲットしてきて食卓に並べる。
乾物屋ではなくて酒屋と言うところがミソで、多分、近所の漁師から分けてもらっているのだと思う。
もちろん日本酒のつまみにはうってつけで、この酒屋が扱うつまみの中でも隠れた自慢の一品に違いない。
サッと湯がいただけで何の手も加えず、きれいに緑色に変色したワカメが口の中でとろけていくさまは正に「春」を実感させてくれるもので、待ち望んだ季節の到来に心が躍る。
ぬるめの燗酒に絶好だし、キリリと冷えた冷酒に合わせてもいい。
今年もぜひ手に入れて味わいたいものだ。
3月11日になるとシラス漁も解禁されるから「口中の春」と「口福」が一挙にやってくることになり、忙しくなる♪
早春の光を浴び、海風に揺れるワカメ
大量の洗濯ばさみが使われている
由比ガ浜にも材木座にも漁港が無いので、漁をしない時は漁船を浜に上げる
前の日より富士山の雪が解けて薄くなっているように見える
この稲村ケ崎から小動岬にかけての七里ヶ浜には波打ち際に打ち寄せられたワカメを拾う人の姿が散見された
手にしたビニール袋がだいぶ膨らんでいたのを見ると、そこそこに拾えるものらしい