大岡信の『名句 歌ごよみ 夏』をパラパラとめくっていたらこんな歌が目に留まった。
わがやどの池の藤波さきにけり 山郭公いつか来鳴かむ
「山郭公」は「ヤマホトトギス」とよむ。平安時代は鳥の分類があいまいで、カッコウもホトトギスだと思われていたんだという。
「わがやど」は「屋外」(やど)でつまり庭のこと。
庭に咲くフジの花を慕ってやってくる鳥を詠んでいるのだが、少しずらして考えると、花であるところの女を慕って通ってくる男のイメージに重なる、と大岡は解説する。
若かりしころのボクにも当然、心当たりがあって、目を閉じれば今でもある花をめがけてせっせと通った往時の情景が目に浮かんでくる ♪
昨日は「立夏」。いよいよボクの大好きな季節だが、初夏の陽光は姿を見せず、夕方からは雨になった。
今朝起きてみれば雨はまだ降り続いている。
バラに降りかかる雨は歓迎しないが、どうすることも出来ない。
ただ、今朝の雨は音も無く静かにおちてくる細かい雨で、バラの花びらを痛めつけることはないだろう。
雨の中では好きな部類で、昼間、緑の濃さを増した木々の葉を静かに濡らしながら高い空から漂うように落ちてくる雨には風情を感じたりもする。
立春を過ぎた後、ウグイスの初音を求めて周囲の尾根歩きを繰り返して聞き耳を立てたが、これから待ちわびるホトトギスの初音は、何せ鳴き声が甲高く、大きいから家にいたって周辺の山から聞こえてくるので、わざわざ出歩く必要もない。
野山の卯の花も咲きそろって来たし、青葉はとっくだし、カツオだって出回っているのだから、あとはホトトギスを待つばかりってことになる。
アイツが鳴き出すと本当の夏がやって来る ♪
以下、わが家のバラ「空蝉」をとくとご覧あれ ♪
花柄を切り離していたら、はずみでツボミを切り落としてしまった ‼
余りの出来事に、せめてもと、小さなグラスに水を張り底に浮かべたら、なんとか水揚げを始めたようだ
今朝、パソコンの前に置いたグラスを見ると、花は昨日より大きく開いていて、とりあえずホッとする ♪