平方録

ジングルベルが町から消えた ?

「今年は街中でジングルベルを聞かない。どうしたのかしら?」と妻が言う。

かつてはどこの商店街でも、ターミナル駅前の繁華街などでも、人が集まるところはどこでも、師走の声を聞くか聞かないかのうちから威勢の良いジングルベルの曲が流れて歳末商戦をあおりにあおり、あぁもう年末かい!と急に急き立てられるような気分にさせられたものだ。
それが、ここ数年の現象だと思うのだが、確かに妻が言うように、あまり聞こえなくなってきているように感じられる。
今年はもう12月も中旬に差し掛かったというのにまだ一度も耳にしていない。

もっとも、最近は年末の繁華街などに出かける用事や興味はほとんどないので、そもそも〝ジングルベル環境〟から遠ざかっているのも事実だが、そういえばテレビからもまだ一度もジングルベルが流れるのを聞いていないのは、街から消えている現象と関係があるのかどうか。
そもそも、日本中のどこかに、今でもガンガンジングルベルの曲を流して歳末商戦を景気づけているようなところがあるんだろうか。
地方に行けば、シャッター通りになっているところが多いのだから、そんなところにジングルベルが流れるわけもないし…
どこぞで未だに流れているというのであれば、物見遊山に出かけてみたいものだ。

一方で、12月に入ると家でクリスマスに関する曲を集めたCDをかけていたのだが、今年はまだ一度も聞いていない。
不思議なことだが、そんな気持ちにならないのだ。
アメリカ製の2枚組のCDでビング・クロスビーの「ホワイトクリスマス」、フランク・シナトラの「ムストルトーエ&ホーリー」、ルイ・アームストロングの「ザット・ユー・サンタ・クロース」など50曲も収められていて、クリスチャンではないけれど、どれもいい曲ばかりなのだが…

ジングルベル同様に、やはりここ数年で影を潜めたもののうちにボージョレ―解禁日のバカ騒ぎがある。
11月の第3木曜日——それがボルドーワインの新酒の解禁日なのだが、日本は時差の関係で本国のフランスより8時間早く飲めるというので、バカ騒ぎに拍車がかかっていたようだが、それも今は昔である。
ボクが2度目に勤めた会社ではあろうことか会社のトップが言い出しっぺになって、社屋1階のオープンスペースを締めきって大ワインパーティーなどという、ボクに言わせれば「バカもいい加減にしろ!」というような、「ボージョレ―ヌーボーを飲む会」などという催しを一人3000円ふんだくって社員相手に開催していたのだ。

ボクはこういう訳の分からない便乗型のバカ騒ぎが大嫌いな人間で、一度も参加したことがない。
付和雷同の思考停止野郎どもの集まりだから盛り上がってはいたようだが、そんな軽薄野郎連中と酒を飲んだって楽しい訳もなく、そういう時は決まって赤提灯の縄のれんをくぐって湯豆腐で「ぬる燗」をちびちび舐めるようにしていた。
日本人は熱しやすく冷めやすいと言われるが、このボージョレ―狂騒曲は短かったように思う。

そしてボージョレ―の退潮に足並みをそろえるように鎌首をもたげてきたのがハローウィンなる騒ぎである。
東京・渋谷のバカ騒ぎは、あれは一種の「騒動」「暴動」の類で、大人しい子羊ちゃんの群れでいてもらいたい権力者たちの目には看過できない事態に写ったことだろう。
既に裏から手を回して、如何にも地元の人たちの主導のように見せかけて「規制」のタガをはめにかかっている。
区役所や地元商店街を組織してナントカ協議会を作らせたのも「子羊でいるなら大目に見ますよ。さもなくば…」路線に踏み出した何よりの証拠なのだ。

かくして付和雷同のバカ騒ぎ人間は気が付けば自縄自縛に追い込まれて行くのである。
なにも考えずに「ほかの政権より良さそうだから」などとあの傲慢で独裁的で憲法さえ眼中にないアベなんちゃら政権を支持し続けるようだと、いずれ自分自身や、あるいは子や孫が鉄砲を担がされて戦場に送られ、命を失うことになるのだ。
次に奪われるのは命ですよ、自分自身の命! そして自由も!
土壇場で気が付いて悔やんでみても、それでは遅すぎるのだよ。アウト!

ん? 何の話だったっけ…



ひと月ぶりに坐禅に参加してきた。例年なら紅葉のきれいな黄梅院の紅葉もご覧の通り


こちら居士林の脇もイチョウとモミジのコラボの見られるところだが、こちらもアウト。


アウトの原因は台風24号による塩害の影響


陽だまりの斜面ではもうスイセンが


黄梅院の掲示板には横田南嶺管長揮毫による今月の詩が(毎月、坂村真民詩集から選ばれる)
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