山形の友人から昨日の昼過ぎに「今冬初の雪景色」の添え書きとともに、柿の木に咲いた白い雪の花の写真が届いた。
柿の木の上の方の枝には収穫しきれなかった朱色の柿の実が残り、覆いかぶさった真っ白な雪とともに印象的な光景を描き出している。
滅多に雪の降らない南関東に暮らしているので、こういう景色を目の当たりにすると「へぇ~」「ほぉ~」と、心底驚き、なおかつ感心する。
雪国で暮らす人の苦労を知らない身勝手を顧みずに言えば、こういう景色もいいものだなぁ、これで雪雲がどいて青空が広がった場合はもっときれいなんだろうなぁ…と、その光景を想像したりする。
実際、真っ青な青空の下に輝く白銀の月山の姿がどれだけ美しいか、友人の口からしばしば聞かされている身には、その白と青の世界に朱色が加わるんだからその美しさは推して知るべしなんだろうなとも思う。
話は飛ぶけれど、ボクは「今わの際」に口にする最後の食べ物を決めている。
スプーンですくって食べるくらいに良く熟した甘い柿がそれで、毎年この友人宅の柿を冷凍保存して「その時」に備えている。
実は渋柿なのだが、奥方が手間をかけて渋を抜いてくれたものは世の中のブランド柿と言われるものに比べたって負けずとも劣らない絶品の柿である。
今年も芸術作品のようにきれいな朱色の実がたくさん届いた ♪
渋を抜いた物だけでなく、より手間のかかる干し柿も送ってくれる。
一度、実を送ってもらい湘南の海風に当てた干し柿づくりに挑戦したのだが、気候が暖かすぎて干している間にカビが生えてしまってがっかりさせられた苦い記憶がある。
以来、あんぽ柿や市田柿より数倍おいしい干し柿を口に出来る幸運に恵まれてもいる。
柿以外にも屋敷の中の畑で出来る野菜がドッサリ届くものだから、大して役には立たないが「援農」と称して泊まり込みで農作業の手伝いに行くのだが、今年ばかりはコロ公のせいでそれも出来ず、ただただ指をくわえ友人の汗の結晶を頂いているだけである。
援農に行けば、農作業の後の汗は近くを流れる最上川の岸辺の温泉に浸って流し、家に戻っての夕食には畑で収穫したばかりの野菜がどっさり並ぶ。
こうして飲む酒が美味しくないわけはなく、実に心豊かなひと時を過ごせるのだが…
その交流のシンボルとも言うべき柿の木に真っ白な雪が積もった。
「へぇ~」「ほぉ~」に「う~む」を加え、送られてきた写真をしみじみと眺めている。