普通デパートの1階というのはその店の顔として大きなショーウインドウがあり、きれいに飾り付けられて購買意欲を刺激する場所として使われるはずだが、このデパートの1階にあるのは全国の日本酒ばかりを並べた酒屋と床屋が2軒も並んでいるほか、他にはどんな店があったのか思い出せないくらいに地味な場所である。
というのも橋上駅舎を出入りする鉄道利用客はそのままペデストリアンデッキでデパートの2階に設けられている入り口から店内に入っていくし、デパート以外に駅前広場をぐるりと取り囲むように建っているビルは皆1階と2階に玄関を設けているが、1階の玄関を使う客などは極めて少数派なのだ。
そんなわけだからデパート側も客足が減った昨今では本来なら1等地であるはずのショーウインドウが並ぶ一角を持て余し、デッドスペースがカネになるならと賃料を受け取って貸しているのである。
しかもデパートの1階にある床屋と聞けば、知らない人は高級床屋を連想するだろうが、流行のチェーン店ではないが2軒とも地元の床屋がやっている1000円床屋である。
と、ここまでお構いなく床屋、床屋と書いてきたがマスコミ業界ではこの言葉は差別用語に分類している。
理髪店と言い換えなさい! と指示されるが使う側にも呼ばれる側にもどれくらいの差別感情が含まれるのかよく分からないが、差別だと感じる人がいる以上は尊重すべきなのだろう。
同じデンで「飲み屋」もダメである。
句友の〝飲み屋の親爺〟に〝居酒屋の親爺〟と呼ばれたいかと聞くと「バカ言うな、俺んところは『飲み屋』だよ。訳の分からない居酒屋なんかじゃないぞ」と怒られた。
チャキチャキの浜っ子にしてそう決然と言い放つのである。
江戸っ子というのは3代続かなければ名乗れないそうだが、横浜というところは寂れた漁村だったところにある日突然姿を現した蒸気船によって半ば強制的に開国させられた関係でミナトが出来、全国から一旗揚げようという人々が集まってできた街であるからして3代なんて言っていられず、3日住めば十分に浜っ子で、堂々と名乗ってよいことになっている。
浜っ子には新しいものにはすぐ飛びつくくせにすぐ飽きて放り出すという軽薄なところもあるにはあるが、このエゲレス人と中国人の血を引く浜っ子3代目? は「何を間抜けたことを」と鼻でせせら笑うのだ。
ここまで8回も使ってきて今更なんだが「理髪店」の話に戻す。
椅子が10脚ほどズラーッと並んでいるがいつ行っても混んでいる。混んではいるが高級〇〇のように手の込んだことはしないからチョキチョキ刈ってゾリゾリ剃ってハイ一丁上がりってなもんで余計な時間をかけないから大した待ち時間にはならない。そういう店である。
で、ボクは椅子に座ると「カットだけ」と言い、簡単に刈り方の希望を伝えると目をつぶっていれば15分ほどで一丁上がりと誠に素早く終了する。
これだと1000円から100円を引いてくれ900円で済むのだ。
お釣りでアイスキャンディーのガリガリ君が買えるのである♪ ボクの頭は900円♪
で、ボクがチョキチョキだけでゾリゾリを頼まないのはガリガリ君を食べたいからではなく、首筋やらこめかみやらに剃刀の刃を当てられるのがイヤだからである。
本音を言うとコワクてオソロシイからで、こればかりはもう理屈の世界ではない。イヤなものはイヤなのだ。
だって考えてごらんよ。剃刀持ってる人が急な発作を起こしたら手先の剃刀はどうなるのサ。
剃刀を使っている時に後ろを通った客とか従業員が何かにつまずいて剃刀を持った人にドンとぶつかったらどうなるのサ。
くしゃみだって侮れないぜ。お~ぉ~、クワバラクワバラ。
しつこく、わが家のバラ
画面左側のアーチの「伽羅奢」の花付きが今年は良くない。アーチ上部はそれほどでもないが、垂直部分の花付きが悪いのだ。誘引の時にどうかなと思った懸念が的中してしまった。誘引の仕方に工夫の余地がありそうだ
対照的に「バレリーナ」も
「ローゼンドルフ・シュパリース・ホープ」も今年はよく咲いた
「ノリコ」の赤とこの「ペンステモン」の城が良く映える
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