平方録

赤い月 おわあ こんばんわ

時間の経過を遅く感じるのは子供のように新陳代謝が良いか、それとも非日常的な出来事にたくさん出くわすかどうかによる。

昨日はそんなことを認知科学の知見を引っ張り出してきて知ったかぶりに書いたのだが、1月のフィナーレもまた大いに非日常の光景が繰り広げられた。
最近すっかり定着した感のある「スーパームーン」、同じ月の2度目の満月である「ブルームーン」、そして月が赤銅色に怪しく光る皆既月食が同じ時間帯に観察できる「スーパーブルーブラッドムーン」。
まぁ、説明されて初めて「そうなんですかい」と納得するのであって、知らなければ単なる皆既月食だが、麻雀でいえば「ブラッドムーン」というマンガンの手にもう2つ役がくっついてハネマンになったようなもので、それはそれで結構なことである。
いや、それだけ珍しいのなら、くっついた2つの役はそれぞれリャンハン級だろう。したがって数え役満でどうだ、という声も上がりそうである。

それはともかく、冴え冴えと透き通った夜空にぽっかり浮かんだ満月が赤銅色に光っている光景と言うのはちょっとした見ものだった。
こうこうと輝り輝く満月よりよっぽど品があって美しく、しかも妖しく艶めかしい。
何でもかんでも見せてしまう丸裸文化のような環境にあって、隠すとか、ぼかすというものがこれほどまでに心地よく感じられるものであると言うことを再認識させられた思いだ。
如何にも大宇宙の天体の一つが目の前にぽっかり浮かんでいるという感じがして好ましく思えるのもいい。

「おわあ、こんばんわ」
「おわあ、こんばんわ」
「おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあ」
「おわああ、ここの家の主人は病気です」

と「糸のやうなみかづきがかすんでいる」のが見える屋根の上で2匹の黒猫を鳴かせた萩原朔太郎だったらブラッドムーンの下ではどのように鳴かせただろう。
ネズミでもくわえさせるんだろうか。

ともかく、スーパーブルーブラッドムーンが現れたのだ。寒さも終わりにしてもらいたい。もういいだろう。
さて2月だ。ボクたちの新陳代謝が不活発でありますように。これ以上、非日常も現れませんように。
そして早めの春が訪れんことを!







三浦半島の台地では春キャベツ? の収穫が始まっている。野菜の値段は下がるのだろうか




こちらは青首ダイコン。葉っぱが美味しそうだ


スマホで撮ったアリバイ証明のブラッドムーン=21:57
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