平方録

チミモウリョウどもがほくそ笑んでいる

いくら世論調査を重ねたって有権者の間からは歓迎するような数字は示されず、むしろ「成立させる必要はないんじゃないか」とさえ思われている法案である。

それが昨日会期末の参院本会議で可決され成立した。
「カジノを含む総合型リゾート(IR)実施法」
リゾート? いや、リゾートなんて言葉に騙されちゃいけない。何のことはない、政府公認のトバク場開設法案なのだ。

で、ボクにとっては極めて縁の深いミナト横浜、その港の遊休化しつつあるふ頭にIRを誘致しようというのが横浜市の考えである。
構想が持ち上がった随分早い時期から、まるで横浜を念頭に置いた計画でもあるかのように行政の積極的なPRが続いたのには違和感を覚えたのだが、批判の高まりとともに今は〝死んだふり〟でもしているのか、あまり話題にも上らなくなった。

風の便りでは最初に旗振り役を務めた女性市長が一転慎重な姿勢に方針を転換させたのだという。
どこまで真実味が備わっているのか、細かく当たっていないので分かりようもないが、確かに誘致自治体として名乗りを挙げている中には入っていないようである。
気になるのはIRに絡んで生じる利権のこと。
こういう汗をかくこともなく大金が継続して転がり込む仕掛けには決まって甘い蜜を吸おうと群がる連中が出てくる。

そういう連中の中でまったく表に出ることもなく、涼しい顔で本筋の太い動脈から直接自分のところにパイプを引いてこれるような人物が必ず存在するものだ。
それがこの案件の場合は「あの」官房長官で、奴を無視するわけにはいかない。
港は利権の巣窟でもある。この巣窟の一方のドンとされる人物は今もって健在で、齢80をとっくに超えているが今なおカクシャクとして存在を誇示している。
このドンと官房長官との仲もまた良好に見える。官房長官がかつて秘書として仕えた横浜出身の大物代議士との縁もあり、加えて選挙区まで引き継いだこともあって有力者の前でけっして頭を挙げないのが官房長官の流儀であり、このドンのまえでも抜かりなくやってきたのである。これまでは。

注意しなければいけないのは、大型利権を前にして双方の権力者どもの調整がうまく行われたかどうかである。
そもそもの力から見れば一方は国家権力をほしいままにしているのだから力の差は歴然なのだが、あのノー天気な女性市長が一転慎重姿勢を見せているというところが怪しいのだ。
ミナトのドンがへそを曲げたとしたら面白いことになる。と言うか、それでせめてIRがヨコハマには縁のないものとなればそれはそれで瓢箪から駒かもしれない。
とはいえ、大きな利権を前にしてむざむざ指をくわえるような2人ではないはずで、どんな老獪な策を弄したのか見て見たい気がするが、それが今のところ見えてこないのだ。

いずれにしたってこの法律の成立でチミモウリョウどもが暗闇の中でもぞもぞ動き回るんだろうが、アベなんちゃらを含めた取り巻き連中にとってはすでにパイプ敷設は終わっている話である。
絶対安定多数を握ってまさに我が世の春なんだろうね、祇園精舎の鐘さん!




江ノ島のヨットハーバーの先から三浦半島方面を見る





同、七里ヶ浜方面


片瀬漁港白灯台


片瀬漁港
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