平方録

3歳と5歳の軍パレごっこ

極寒の首都の広場に大勢の軍人や国民を並べて大陸間弾道ミサイルだという巨大な筒を乗せた移動発射台なるものがその前を行進していく光景が映っていた。
飾り紐や刺繍のようなものをべたべたくっつけた制服を身にまとった特別の兵隊が並ぶ前に敷かれた赤いじゅうたんの上をカミさんだという女性を従えた太っちょの男が得意顔で閲兵していく。

平昌五輪開会式を翌日に控えた8日、対立する分断国家の片割れはわざわざ軍事パレードを開いてこれ見よがしの態度を示したのだ。
どこからか手に入れてきた設計図で作ったロケットを並べ立てて、いかにも世界は俺のものだと言わんばかりの得意顔が哀れでならないが、本人の自覚は世界の超大国にでも仲間入りした気分なのだろう。
いざとなれば数分で国土が消えてしまうという現実はもはや見ないようにしているのである。

この国営放送の録画画像が流されたのは夕方だが、ボクはそれより9時間前の午前9時ころに読んでいた朝刊紙面に面白い記事を見つけたのだ。
アメリカのワシントンポスト紙が発信元である。
曰く「45代が首都ワシントンで大規模な軍事パレードを計画するよう国防総省に命じた」というのである。
ボクはてっきり、フェイクニュースとやらで悩まされているのだと常日頃悪たれをつきまくっている45代が、目の敵にしているメディアを陥れようと自ら発信源となってフェイクニュースを垂れ流したのだと思った。

しかし、記事をよく読んでみると45代は1月18日にマティス国防長官や米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長らとの会合で軍事パレード構想を披露し、米軍幹部は「命令は『フランスのようなパレードをしたい』だ。軍最高レベルで検討されている」と取材に答えているようなので、フェイクではなさそうである。
マクロン大統領に招待されてパリに行った際に凱旋門前で行われた軍事パレードを見せられて、よだれを垂らしたらしいのだ。ぼくちゃんもあれをやりたい、と。
だから大真面目で45代が提案し、米軍最高司令官である大統領の直接の指示とあっては国防長官以下の部下たちは無視するわけにもいかず検討を始めたということのようなのだ。
記事は退役軍人の日の11月11日に行う可能性があるとまで書いている。

何をかいわんやではないか。
思い出したよ、1月の4日に書いたブログを。

 実際に聞いた話だか夢の中だったのか、お屠蘇の回った脳ミソのおぼろげな記憶呼び覚ましたんだと思ってください。こんな話を聞いたような気がするのですよ。
 「アメリカの45代は天才だ。何しろ今と同じ知能は既に5歳にして持っていたんだから」と。
 それを伝え聞いた「北の坊や」の側近たちが鼻でせせら笑ったそうである。
 「わが首領様こそ超天才である。何しろ今と同じ知能は既に3歳にしてお持ちであられた」と。

という中身だった。

まぁ5歳と3歳のガキのやることだと言って笑っていられればいいが、5歳のガキに至っては調子に乗って核爆弾を使いやすくするために小型化するよう指示を出したのだ。
5歳の知能しかないんだからしょうがないんだけど、世の中には笑って済ませられるものとそうでないものがあるのだ。

よし、いいこと思いついたぞ! そんなにおもちゃを並べたパレードがしたいんなら、いっそのこと同じフィールドでオリンピックの開会式のような入場行進みたいのをやればいいんだ!
場所はまずサハラ砂漠。4年後はオーストラリア砂漠、8年後はアラビア砂漠、次はタクラマカン砂漠…
地域的にもいいバランスじゃないの。場合によっては南極だって広々としてるぜ。
観客はペンギンだ。

そこで思う存分やってよ。場合によっては兵器の優劣・強弱をつける競技のもやったらどうよ? 国別対抗でさ。
核兵器については大気圏でやると都合悪いから、月まで飛ばしてキノコ雲大会なんてやって、地上から望遠鏡でどこの国のキノコ雲が一番凶暴そうかを採点したらどうなのさ。
弾道ミサイル持ってんだから月まで飛ばすなんてお茶の子さいさいでしょうよ。

次の国連総会で我らがアベなんちゃらに提案してもらいましょうよ。
そうしましょう、そうしましょう!



小高い丘の上から相模湾がちらっと見え、雲の様子が面白かったので撮影した
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事