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平方録

夏という「あわれ」

2日続けて失敗しているので、今朝は目が覚めるとぐずぐずせずにガバッと起きた。

午前4時を回ったばかりのベランダに出てみると、金星がひときわ明るく輝く東の空の、やや南に寄ったさして低くない位置にオリオン座が三ツ星を中心に大きく展開して光り輝いているのを見つけた。

オリオン座と言えば冬を代表する星座で、春分の日の前後辺りから見かけなくなっていたが、立秋の声を聞いて律義に戻ってきたようだ。

こんなところにも、季節の移ろいというものが顔をのぞかせるわけで、別に急き立てられているわけでもないのだが、なんだか落ち着かない気持ちにさせられる。

特に夏大好き人間にとって、まだまだ夏を謳歌したいのに、こういう ‶移ろいの兆し〟をチラッとでも見せられると、やはり心中穏やかならざるところがあるものなのだ。

季節が移ろうのは大宇宙の摂理の一つなんだから、平然としていればいいだけの話だが、なかなかそうはいかない。

例年の感情だが、特に夏に限ってその傾向は強くなるようである。

そう思うせいだろう、好ましいと思って聞いていた朝夕のヒグラシのセミ時雨も、急にもの悲しさの代名詞みたいに聞こえてきたりする。

特別の夏の終わりなんだからしょうがないな…と思っているが、今年は立秋の声を聞いた途端にこうなるのか…といささか寂しい気にもなって来る。

昨日は楽しみにしていた姫たちの来訪が「コロナを理由に断念した」旨の知らせが届き、より一層「秋風」が身に染みているせいでもあるのだろう。

夏の烈日が輝けば輝くほど、ふとした瞬間に兆す陰りのようなものは実際より大きく見えてしまう…そんなことはないのだろうか。

そこが夏の唯一の弱点なのかもしれないが、なかなかどうして、滅びゆくものに心を寄せる日本人の心情にそれがまた、たまらないのかもしれない…

 
 

近所の池と森の公園に咲いているキツネノカミソリ


んっ!? 右上に未確認飛行物体!


花芯めがけて接近中!


春先には細い葉があちこちから芽生えてきているのを確認していたのだが、今、咲いているのはこの株ただ一つ


盗掘にでも遭ったんだろうか…
 
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