ただし、春霞がたなびくような穏やかで明るくて柔らかい日は少なく、雨模様の曇り空が続いては桜も満開の時期を計りかねているようでもあるし、もたもたしていると五月雨開花の五月雨落花になりかねない。
サクラは咲くのも散るのも一斉というのがいいのであって、五月雨はいけません。
昨日ホームセンターへ出かけてみたら、花の苗売り場の3分の1をつぶして野菜の苗がずらーっと並んでいるのを見て驚くと同時に、少々尻を叩かれるような感じがした。
もともと「団子より花」の立場に身を置く方で、来し方数十年にわたって庭には花しか植えてこなかったのだが、ここ数年はミニトマトくらいは鉢植えにして、その果実を朝の食卓に並べるのを楽しいと思うようになってきていたのである。
長年、大手種苗メーカーの友の会会員になっているので、花の種以外にも野菜の種や苗が割引で買えるのである。
最近では世の中が世知辛くなったのか、「花より団子」派が増えたらしく、花を咲かせるよりも野菜を収穫しようという実利重視型の人間が増えたと見えて、種苗メーカーが年2回届けてくるカタログは今や野菜が主役になってしまっているのだ。
この迎合ぶりには僕も少しムッとしたものだが、種苗メーカーにしてみれば売り上げの大きい方をメーンに据えるのは自明の理であって、致し方ない部分もあるが現金な奴らめと、内心は小ばかにしているんである。
いいんだ。ボクは今まで通り花の種を買い、その種を蒔いて苗を育て、成長したら庭に下ろして花の咲くのを楽しみに待つんである。
気分は花咲じじいなのだ。
孫たちの優しいジイジであり、その実態は白馬にまたがった正義の味方・花咲じじい天狗なのである。アベなんちゃらめ、いい加減にしろよ!
ん? 花を育てるのに馬にまたがったり、鞍馬天狗のような頭巾をかぶる必要もないか…
実をいうとミニトマトの苗だけはカタログで選んでここ数年5、6本は買っていたんである。
苗の届く時期を選べるので、いつも五月の大型連休明けに届くように注文していたのだが、それには理由があって、春の花が終わらないからなんである。
パンジーなどは夏まで咲くし、種から大切に育てた株はパンジーに限らず、何てったって丈夫で長持ちするんである。
温室育ちのへなちょことは物が違うんである。
つまり、そういうことだから、なかなか鉢やプランターが空かないんである。
別の鉢やプランターを用意すればいいじゃん、という考えも確かにあることはある。しかし、それではベランダ中が鉢とプランターだらけになってしまい、いささか具合が悪いのだ。
庭は花しか植えていないし、そもそも野菜にスペースを割く気がないんである。野菜はプランターで、と決めているのだ。
今年はミニトマトの苗を注文しなかった。
理由は種から育ててみようかとチラッと考えたのだが、逡巡しているうちに時期を失ったようである。3月前半はちょっとばかり忙しかったりしたんである。
で、ホームセンターにミニトマトをはじめ野菜の苗が当たり前のようにずらーっと並んでいるのを目の当たりにして、今買うべきか、もう少し待つべきか、ハムレットのように悩んでいるのである。
どうしよう オフィーリア ⁉
上のミニトマト苗は甘いと評判の「アイコ」。下は広告の品と書かれた苗。片や298円、此方78円。ミニトマトの世界にかくも歴然とした貴賤が存在することに驚く
こちらのキュウリは「夏すずみ」とかいうブランドものらしく、1苗298円もする
アバシゴーヤもブランドもので198円。昨夏種を取り損ねてしまったので、今年は買うしかないか
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