なんてことだ…
開花を目の前にして………
昨日の午後から強くなり始めた南寄りの風は夕方近くなって10mを越すほどに強さを増して行った。
ただその時点ではあまり気にかけてもいなかったのは、海沿いの地域では時々強い風が吹くことがあり、自転車を漕ぐのに難渋するくらいだからである。
雨も混じる荒れた天気で散歩にも出られず、ベランダと部屋を隔てるガラス戸のすぐ脇に置いた椅子に腰かけ、本を読んでいる時だった。
フト上げた視線の先に「!?」という違和感を感じたのは鉢植えのバラ「ノリコ」に目が行った時だった。
上を向いて伸びている十数本の枝の中で1本が真っ逆さまに倒れ、別の1本は横倒しになってほかの枝にかろうじて引っかかっている!
慌ててベランダに出て確かめてみると、ツボミを付けた枝が付け根の部分からぽっきり折れている…
だが、それだけでは終わらなかった。
その後強くなる一方の強風に、次から次にポキポキと…
ちょっと目を離し、視線を戻して見るとそれまであった枝が倒れていたり…
信じられない光景を見せつけられて、大いにうろたえさせられた。
混乱する頭の中で浮かんだのが「せめて挿し木でもしてやれば復活の可能性も出てくるだろう」ということ。
それで、雨に濡れながら使っていなかった鉢に何本かを挿しておいた。
だが、これでオシマイではなかったのだ。
今朝起きて次第に明るさを増していく中で、一番大切にしている「空蝉」の全貌が明らかになる。
昨日の段階でポキポキ折れていく「ノリコ」に対し「空蝉」は枝がしなやかで、強風に翻弄されてはいたが、折れるようなことはないだろうと思っていた。
あぁそれなのにそれなのに…
今朝見ると2本が横に倒れている!
しかし、よく見ると枝の付け根から横倒しになっているのだが、幹から完全に離れてしまっているわけでもない。
それで添え木を立てて、しっかり結びつつけておいたから、水分が通る管さえ生きていれば、癒着して復活できるかもしれない。
一縷の望みをつないでみることにしたが、どうなる事か。
それにしても…
これまでだって台風の強風に何度もさらされてきたが、こんな被害を経験したことは一度も無かった。
枝が伸び始めの、まだ完全には固まり切っていない成長段階だから耐えられなかったのだろうか…
今年はこれまでのところ病害虫の被害も出ていなくて、いい塩梅だなぁと思っていた矢先だっただけにがっかりだ。
よりによって開花寸前に…
「ノリコ」の枝がすっかり折れて床に垂れている様子
これはもう被害が出始めて時間が経った後の写真で、何事も無かった頃は十数本の枝がスックと伸びていたが次々となぎ倒されて行った
被害は軽く済んだが姿が乱れた「空蝉」
柔らかな枝先にたくさんのツボミがついて、頭が重かったのも確かだが…
まさに開かんとしている「空蝉」の一番乗りのツボミは何とか無事だった
これが強風前に撮影してあった「空蝉」のツボミ
鉢植えの「ブラッシング アイスバーグ」は背丈が低かったせいかほとんど影響は出ていない
「空蝉」に続いて2番目に開きそう
「ブラッシング アイスバーグ」も枝先にたくさんのツボミを付けている
強風に何とか持ちこたえた「空蝉」のツボミ 一枝に10数個のツボミを付けている
庭に植えてあるバラは2階のベランダほど風当たりが強くなかったと見えて、つるバラの「ニュードーン」の花枝が数本折れただけで他には目立った被害は出ていないようである