横浜駅に着いたのは午前10時過ぎだが、駅の地下道や改札を出た中央コンコースから地下街にかけての人波は「何だよこの人の多さは! 」とぼやきたくなるくらいで、まっすぐ歩くのにも一苦労しなくてはならない。
昨日から3連休だとかで、銀行のATM に立ち寄ったらすぐ近くに羽田空港行きのリムジンバスの発券売り場があり、荷物を手にした人たちでごった返していた。
なるほどそういうことか、という思いである。
待たされたりして、用事が済むのに1時間半ばかりかかってしまったのだが、駅直近のビルの中とはいえ、ここも商業施設のど真ん中である。
隣の百貨店とも空中廊下でつながっているし、エスカレーターに人の姿が途切れることもない。
ボクもその空中廊下を1度は渡ったのだが、じゃぁ渡って何をするの? という自問に何の目的もないことを思い浮かべると、ぶらぶらするのも何だか馬鹿らしくなってくる。
せっかく来たんだし、暇なんだからと思い直そうとしても、どうもその先の一歩が前に出ない。
面倒くささが先に立ってしまい、時間の無駄とさえ思う。人混みをかき分けるのもわずらわしく、うっとおしい。
で、踵を返して駅に戻り、電車に乗って帰ることに決めた!
最近、どうもこういうケースが多い。
ジジイになってまず物欲というものが失せてしまい、買いたいものも特段ないのだ。
興味がわかないと言っても差し支えない。
こうなってしまうと繁華街も美しく飾られたショーウインドーもうず高く積み上げられた商品の山も豚に真珠、猫に小判であって何の役にも立たない。興味も湧かない。
これは相当な老化現象なのだろうなぁと思っているがどうなんだろう。
ヒトはこうして欲をなくし、だんだんと枯れていく。
枯れてしまえばその次は朽ち果てるまでで、それが自然の摂理というものに違いない。
ところで、急に思いついた。
アホな政府・日銀は目標と定めた物価上昇2%の達成がなかなかできないとぼやいているが、初歩的で当たり前のことが分かっていないのだ。
5年前の2013年の統計だが、総人口に占める65歳以上の割合は25%にも達している。4人に1人が高齢者の時代なのだ。
おまけに大金は望むべくはなくても孫に上げる小遣いに不自由しないくらい小金をため込んでいる老人は案外多いんである。
しかし、ボクのようにすっかり物欲を失ってしまったロージンもいるのだ。それもボク1人ではあるまい。
こういう階層の購買意欲をくすぐるような仕掛けなりモノなりが用意されていないこともまた確かで、子育てに追われている若い世代をいくら狙ったって、そこには限度があるだろうに、何とも間の抜けたことである。
そうは言っても狙われたら狙われたで、年輪を重ねて来たロージンたちがそうやすやすと簡単には財布のひもは緩めないけどね。
このまま推移すると17年後の2035年には高齢者の割合は33.4%、3人に1人まで増えるそうだから、ますますそういう傾向は強まるに違いない。
かくして経済はやせ細り、豊かさとは縁遠い生活を送らなければならなくなる。
そうなれば過去の歴史が繰り返したように、必ずキナ臭い匂いが漂ってくるものなのだ。
今、憲法改正が喫緊の課題ですかい。
そんなものにまなじりを決する時期じゃァないだろうに。
国家財政が破綻しかけている時に、立て直しの先送り先送りでどんどんつけを若い人たちに押し付けようとしている。
自分さえよければというのがアベなんちゃらという男で、そんなことも分からない料簡の狭い男がこれからまだ3年も政権に居座ろうとし、自民党の中の権力ボケ、自己中心野郎どもがそれを後押しする間抜けぶりである。
列島の南で北で大災害が発生し、今また地震や火山の噴火など、様々な自然災害の襲来が危惧されている最中、アベなんちゃら政権がどんな手立てを講じているというのか。
東南海地震に対する備えは? 首都圏直下型地震への対応は? 北海道根室沖の千島海溝は大丈夫なのか? 原発事故の再来は御免だぜ!
こうした大災害に見舞われて甚大な被害に襲われたら後の復旧に使うお金があるのか?
それこそ国家財政はどうなってしまうのか。何をかいわんやではないか。
繁華街から用事だけ済ませてまっすぐ帰ってきた話を書こうと思ったら、思わぬ方向に転がってしまった。
空中廊下から見るミナトは乳白色のベールに包まれ、ベイブリッジは影も形も見えない
以下は今年の湘南の夏の記憶から
コメント一覧
heihoroku
ゴンべ
最新の画像もっと見る
最近の「随筆」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事