平方録

冬~よ来い、早ぁ~やく来い ♪

午前4時に起きるとすぐにベランダに出て外の空気を吸い、様子を探る。

きれいな星空が広がっていることもあれば今朝のように、細い糸のような細かな雨粒が音もなく落ちてきているような日もある。
雨粒と書いたが、粒になる以前の頼りないくらい細い筋に過ぎず、地上に届く前に蒸発してしまいかねないくらいのか細さと言い換えるのが適当なくらいの雨である。
東の空が既に明るくなり始めているのを追いかけるように起き出して来た初夏から夏至、盛夏のころ違って、もはや4時というのはまだとっぷりの闇に包まれている。
こういう日は庭の虫の音も聞こえず、何か音はないかと耳を澄ましても時折ポタン、ポタンという雨だれのとぎれとぎれの音がそれもかすかに聞こえる程度の、ほとんど無音と言ってよい世界が広がっている。
5時も近くなれば電車も動き始めているだろうから、極たまには線路から2キロほど離れたボクの家にも何がしか、あぁ電車の音だなと思えるような音が届くこともあるのだが、今朝はそれもない。

パソコンの前に坐って、さぁ今朝は何を書こうかと明確なテーマを持たないときはあれこれ、何かないかと頭を巡らすのだが、今朝のようにまったくの無音に近いような状態にさらされると、この世の人はみなどこかに行ってしまい、ボク1人置きざりにされてしまったのではないかと思えるほどに不安がよぎる。
5時を回ってしばらくすると、今まで闇に沈んでいた隣の家の屋根の輪郭やその背後の丘の輪郭線が浮かび上がっては来るが、それでもまだ住宅地の朝は何ほどの動きも無いように見える。
第一、明かりがついている家を探すのも一苦労なのだ。
本当に皆どこかに消えてしまったのではないか?

昨日も雨だった。
さすがに午後はほとんど落ちてはこなかったがお日様は隠れたまま終日顔を見せてくれなかった。
一昨日苗床からポットに移し替えたばかりの苗の中に葉の一部が白っぽくなり、明らかに何がしかの生理障害を来しているらしい株がいくつか現れ、もしやと思って慌てて細菌の繁殖を抑える薬剤を水に溶かして散布してみたが、今朝見た限りでは症状が改善されたのかどうか定かではない。
こういう時、太陽の光を浴びると息を吹き返すのではないかと思うのだが、今日はそのお日様も昨日に続いて期待薄のようで、苗が心配である。

ボクの暮らす南関東では今年の梅雨はごく短くてとてもいい塩梅だったが、そもそも梅雨というのはどんなにうっとおしいものであっても、この梅雨が開けさえすればあの太陽の光輝く灼熱の夏がやって来るのだ! という期待と希望に満ちあふれているからたいして苦にならないが、秋の長雨は違っていて、気が滅入ることの方が多い。
間もなく秋分の日を迎え、坂道を転がり落ちるように日脚は短くなる一方となる。
朝はなかなか明けないし、陽はすぐに沈んでしまう。日が短くなるだけで悲しいのに、おまけに気温はどんどん下がる。花は咲かないし、木々はすっかり葉を落として寒々とした姿をさらすばかりだ。
こういうのを踏んだり蹴ったりというのだ。

ボクに!とってはまさに踏んだり蹴ったりの我慢・辛坊の季節を迎えることになるのだ。
春ぁ~るよ来い ♪ …って、いくら何でも早すぎるよなぁ。ならば、冬~よ来い、早ぁ~やく来い ♪ だね。冬来たりなば春遠からじ。これならつじつまが合う。
長雨は飛ばし、秋もさっさと飛ばす。あわよくば冬も。これ本音!



春はあけぼの…、夏だってあけぼの!


自転車を108キロ漕いだ日。06:19.19.Aug.2018






開成町の酒匂川堤防から見た「重ね富士」


同じく開成町の酒匂川堤防の松並木


終戦記念日に現れた一条の光線


こちらも終戦記念日の空

以上、今年の夏の思い出写真から
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