67年と8カ月間使っている膝に経年劣化が現れたと思ったら、今度は1999年以来付き合っているステレオのアンプが経年劣化に見舞われて入院するはめに陥ったのである。
“前世紀の遺物”とはいえ、たかだか17年しか経っていない。
何もご主人に付き合うこともないと思うのだが、機械の分際で律儀なことである。
それも、わが身は医者にも通わず、だましだまし使って様子を見ようというのに、ご丁寧に入院までしてしまった。
高額医療費がかかる気配である。
最初はスピーカーからの音が割れるのに気付いたことから始まったのだ。
左右2つのスピーカーのうち、左側のツィーターと呼ばれる高音域を再生する一番小さなスピーカーが病巣らしいのだ。
特にオーケストラが一斉に楽器を奏でるような場面に顕著で、非常に耳ざわりだったのである。
ダイヤトーンのDS-800ZXという機種で、安ものだが、それなりの音を響かせてくれていたから、早速メーカーに問い合わせたところ、うかつだったことに、とっくの昔に生産を打ち切り今ではカーオーディオしか手掛けていないという。
それでも3、4年前までは法律に従ってアフターケアはしていたが、その期間も過ぎてしまい、もはや直すすべはない、というのである。
何ということでしょう !
どうしてもというなら、オーディオ専門店の中に特殊な技量を持つところがあって、そこなら直せるかもしれないという。
軽井沢の何とかという専門店を紹介されたが、医者に見放された気分である。
「あなたはもう助かりません」と。
電話応対してくれた担当者がちょっと口にした「アンプとの接続を左右逆にしてみましたか?」という一言を頼りに、失意の中で試してみたところ、何と! 音割れは右のスピーカに移ったではないか。
ということは…
そう、原因はスピーカーに非ず、アンプの故障だったのである。誤診ってやつである。やれやれ。
濃い焦げ茶色に塗られた重たい木の箱の中に埋め込まれたスピーカーは、居間兼食堂の内装にピッタリ合っていて、その面でも気に入っていたのだ。
ご無事で何よりでごぜぇやす。なにはともあれ、よかったよかった。
それにしても、直せないスピーカーを使ってるんだねぇ。
これぞまさしく、正真正銘“前世紀の遺物”となったわけである。
わが身も同様か…
で、アンプメーカーに問い合わせたところ、こちらはコロムビア製で修理可能だという。
そうこなくっちゃ。
早速隣町の内陸工場団地の一角にある修理センターに持ち込んだ。
ところが、建物はそれなりに大きいのだが、如何せん極めて小さな看板が掲げてあるだけで、2度も3度も周囲をぐるぐる回った末にようやく見つけたほどである。
まるで隠れてでもいるようで、ホントに苦労させられる。
しかしアンプって機械は何だってあんなに重たいんだ。
車に乗せるだけでも一苦労である。
膝以外に腰にも経年劣化が忍び寄っている身なんである。
修理センターの如何にもオタクっぽい青年が運んでくれなかったら、こちらが入院ものである。やれやれ。
修理センターかにほど近い里山公園の大きなバッタ
公園の地肌には緑色が目立ってきた
日当たりと土が良いのか、オオイヌノフグリも元気である
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