自転車に乗る時は出来るだけヘルメットをかぶってくださいね…とお上から言われ、「ハイ、分かりました」と素直に従うほどのヒツジのような従順さは持ち合わせていないし、むしろ、お上のいうことならと、あえて逆のことをする類の人間なのだが、今回はちょっと違って従うことにした。
一つは体力的な衰えを感じつつあって、特に反射神経にそれほどの自信が持てなくなったこと、それに加えて筋力と言うものが相対的に低下してきていて、直近の例で言えば60歳台で上れた坂道が今は息も絶え絶えになってしまうという現実。
これには愕然とさせられる思いで、我身に忍び寄る「老い」「衰え」を否応なく実感させられる瞬間だった。
そんなわけで、万が一自転車を漕いでいる時にコケてしまったら…と思うと、どこまでとっさの防御態勢が取れて我身を守ることができるか…
そもそも危険回避のためのアンテナの感度そのものが鈍くなっていることも考慮に入れねばならず、転ばぬ先の杖として頭にかぶり物をかぶるくらい…と言う結論に行きついた。
で、走り出す前、流線形の真っ白なヘルメット姿を鏡で見ると、ちょっと大げさなんじゃないかと、しり込みしかけるが、山の神に「あら、すごくカッコいいわよ♪」とおだてられ、そこは「単純」が洋服を着て歩いているような人間でもあり、〇〇同様、一直線に木に登ってしまったのでございます。
…天気はいいし、風は弱いし気温も上がりそう。
よしっ、普段より少し遠くまで漕いでこよう♪
偏向レンズのサングラス越しには薄っすらと富士山が見えていたのだが、肉眼では…
恐る恐る波に近づく…
…と思ったら、波がまだ来ないうちから脱兎のごとく
砂浜ダッシュ 体力が有り余っているものな…
見ぃ~えそうでぇ~見ぃ~ぇなぁ~ぃ~♪
辻堂東海岸
3日前にも見たハマダイコン越しの江ノ島遠望(茅ケ崎柳島海岸)
冬の間は相模川を越さなかった、いよいよ… 気温は23℃(10:56)
湘南大橋の上から見る相模川河口
平塚市を横切って大磯町との境を流れる花水川も渡る 左端に流れの「出口」がある
しばらく走って大磯漁港到着 背後の丘陵は湘南平 右端の山は浮世絵に登場する山
この山を右手方向の平塚宿から望んで描いたのが安藤広重の東海道五十三次の「平塚宿」
漁港のすぐ脇、西湘バイパスの高架下の標識
左から相模湾、西湘バイパス、太平洋岸自転車道 自転車道はここから始まる
自転車道をしばらく走ると吉田茂の旧宅が再建された小山が現れる
遠景に浮かぶ山々は丹沢山塊 右の三角の山は大山
大磯ロングビーチを過ぎると畑の中の住宅の庭のサクラが満開だった
新緑が輝く
二宮町に入ると突然桜並木が現れた(葛川の下浜橋付近)
思いがけないサクラを見てUターンし、大磯に戻り鴫立庵に寄る
鴫立つ沢の流れ
鴫立沢と刻まれた石碑 「湘南」の文字がどこに掘られているか分からなかった
帰りは一気に江ノ島 島の南側にある岩屋洞窟に渡る観光客を満載した渡船が静かな海を行き交う
走行距離は62kmだった