移動性高気圧が列島の上を通過して天気が周期変化するならともかく、天気図を見ると本州南岸から九州・沖縄にかけて梅雨前線のようなものがへばりついているから尋常ではない。
奄美地方に続いて沖縄地方がすでに梅雨入りしたし、そうなると間もなく南九州が梅雨入りなんてことになれば、いよいよこれはオオゴトである。
一気呵成に関東も飲み込まれかねないではないか。
何てったって去年の梅雨明けあたりから天気周期が狂い始めているんじゃないかと思えるくらいに〝狂い度合いが顕著〟になっているように思えるのだ。
思い起こしてもらいたい。去年梅雨が明けたのは平年より2週間も早い7月の初旬だった。すぐに暑い夏がやってきたが残暑らしい残暑もなく9月の声を聞くと同時に涼しくなり始め、12月の声を聞くか聞かないかのうちに例年にない寒さに見舞われそのまま長い冬に突入してしまったのだ。
ご丁寧にというか、往生際が悪いというか、今年は彼岸の中日にまで雪が降り、寒い冬がようやく去ってくれたのもつい昨日のことのようで、思えば長~い冬だったのだ。
耐寒性能に難のあるボクにとって冬の寒さは大いに苦手で、願うのは暖冬なのだが今冬はつくづく寒さが恨めしかった。
かくして季節の早め早めの展開など誰も求めていないだろうし、ごく普通にうつろいでくれればいいものを「そんなに急いでどこに行く」とスピードの出し過ぎを戒める交通標語を借りてきて掲げなければならないほどに前のめりなのが気に入らない。
まさかこのまんま梅雨入りするつもりじゃぁあんめぇな、と前に立ちふさがりたい気分である。
というのも例がない訳じゃぁないのだ。
記録によると1963年、つまり東京オリンピックの前の年の関東地方の梅雨入りは何と5月6日ですよ、5月6日!
端午の節句の子どもの日の翌日からシトシト、ジトジトの梅雨に入っちゃったんですぜ。薫風なんて吹く間もありゃしませんぜ。こいのぼりも出番が短くってがっかりしたろうね。
でもって梅雨が明けたのが平年より遅い7月24日。なんと2か月半にもわたって梅雨空の下で暮らしたんですナ。ボクは中学3年生でしたよ。長かった梅雨のことなんて全く覚えていないけど…
友人が暮らす東北は去年結局、梅雨明けの来ない夏になり、おかげで農作物の出来は芳しくなく、野山のキノコや木の実にいたっては大不作で当てにしていた動物や鳥たちを落胆させ、ボクたちをも大いに失望させたのだった。
天候不順というのは様々にイレギュラーを生み出すものなのだ。
各季節の神におかれては長年培ってきた暦に沿った移ろいを切に願うものである、と急に演説口調になってしまったが、願うところは、平凡でいいじゃん、月並みでもいいじゃん、奇をてらうことなく、ゆっくりと、でも確実に進んでくれさえすればそれ以上は望みませんから、ということなのだ。
ん? どこかで聞いたような言い回しだな…
開き始めたばかりの「空蝉」
成熟した「空蝉」
「バレリーナ」とクレマチス「アフロディーテ・エレガフミナ」
「ノリコ」と「サハラ98」
こちらの鉢植えの「ノリコ」にもだいぶ花が付いてきた
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heihoroku
高麗の犬
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