一昨日、隣町に広がる広々とした水田地帯に寄り、田んぼのイネや水の匂いを嗅ぎながら農道をゆっくりのんびり自転車を漕いでいたら、田んぼの中に白と黄色のきれいな花が咲いてるのを見つけた。
花は花弁が3枚あり、真ん中のオシベやメシベのある部分が黄色く染まり、ぷっくらしたボタンのように膨れている。
そして何より、葉っぱも同様に3枚葉で、しかも形がまるで「矢印」のようで実に特徴的である。
この特徴的な葉を見た瞬間、あぁ、これは以前にもどこかで見たことがあるなと思ったが、思い出せない。
花は記憶の底になく、「初めて」出会う感覚に等しい。
何だったっけ、どこであの葉っぱに出会ったんだっけ…
早速スマホのグーグルレンズで調べたら「オモダカ」と出た。
これも記憶にない。
漢字で書くと「沢潟」「澤瀉」「面高」と書くとある。
漢字表記はともかく、おせち料理などに使われるクワイの仲間で別名「ハナクワイ」というそうだ。
繁殖力が強く、繁茂するとイネから養分を吸い取ってしまい、稲穂の実が充実しないなど厄介な植物らしい。
しかも「難防除雑草」という種類に分類され、特に生命力が強く、地下茎で伸びていくために細切れにされても、地下茎さえ残っていればどこからでも繁茂してしまうほど駆除が厄介な植物だとも書かれている。
農家にとっては目の上のたん瘤のような存在らしく、ボクのような門外漢がたまに通りかかって「おぉ、きれいな花が咲いている♪」などと、喜んでいる場合じゃないらしい。
だからこそ、農家は必死に駆除に努めるから、あまり見かけることのない花だったのだが、見るだけの側に立つとやっぱりこの花は愛らしく、きれいで自転車を降りて写真の2枚や3枚は撮りたくなる。
オモダカの生えている田んぼの位置はしかと記憶した。
余り目立たないように何とか生き延びて来年も花を咲かせておくれ。
そうした非常に強い繁茂の力を秘めた植物は戦国武将らに好まれたようで、長州の毛利元就や織田信長の家臣だった福島正則、あるいは若かりし頃の豊臣秀吉が家紋として使った。
そういえば、警察沙汰を起こした人気歌舞伎役者の屋号も「澤瀉屋」だった。
オモダカが泣いているだろうに…
田んぼの中に咲いている3枚の花弁のオモダカ
ぷっくらとした黄色の牡丹のような花芯がチャーミングである♪
余り露骨にイネを妨害するなよ
矢印みたいな形の3枚葉 この葉っぱも魅力的♪
こらっ イネの邪魔するなっていうのに…
白雪姫って、こんな感じなのかもしれない♪
位置はしかと記憶した 来年またお会いしたいものです