ここはボクが勝手に「桃源郷」と呼んでいる場所。
わが家から歩いて12~3分のところにあり、西側に宅地が迫っているが、かろうじてその波も首の皮1枚で免れ、小さな盆地を成している。
「西側に迫る宅地」と書いたが、それ以外の東南北方向も家々に囲まれていて、細い獣道を山の中に分け入る気分で進んでいくと、突如視界が開けてこの景色が現れるのだから、初めて訪れた人は大抵「信じられない」思いで歓声を上げる。
盆地は畑になっていて周囲にはウメやサクラが植えられ、春が楽しみな場所でもある。
前日に別な場所でウグイスカグラが咲いているのを確かめたばかりなので、桃源郷のウメもぼちぼちいい頃だろう…と足を向けてみた。
結論から言うと紅梅も白梅も狙い通り咲いてはいたが、少し早かったようで、立春まで待った方が良かったようだ。
ここの日だまりの枯れ草の上に腰を下ろして辺りの風景に溶け込んでいるときに、天から降ってくるようなウグイスのホォ―ホケキョと言う鳴き声は、まさにそこが桃源郷なのだという証拠で、年に数度しかない限られた楽しみなのである。
今年はいつ頃になるだろうか。
今年の南関東はカレンダーをめくって師走に入った途端に寒くなり、以降、寒波の到来を含めて「寒い冬」がもう2カ月も続いている。
まだまだ辛抱が必要だが、周囲ではウグイスカグラやセツブンソウが小さな花を咲かせ、ウメがほころび始めたように、季節は確実に歩みを進めている。
道端に咲くオオイヌノフグリの真っ青な小さな花をまだ見かけていないが、それも間もなくだろう。
そういう小さな春を見つけるのも、この時期の散歩の大いなる楽しみと言える♪
この7~80mの竹藪の道を抜けると…
紅白のウメがほころびる人気のない盆地のような場所が現れる
車の走る音はもちろん、騒音の類とは無縁で、シィ~ンと静まり返っている
紅梅も白梅もまだ三分か四分咲きと言ったところか…
白梅の方がやや優勢か
手前の木はソメイヨシノ
散歩の途中で垣間見えた伊豆大島
ところで、これはわが家の2階ベランダのプランターに植えていたキンレンカ
言わずと知れた夏の花で、今年タネを蒔いてほっぽらかしていたのだが、秋になっても旺盛に花を咲かせ続け、それが年を越してひと月近く…
ひょっとしてキンレンカは1年草から多年草の仲間入りをして、しかも真冬の寒さもへっちゃらなような突然変異を遂げたのか…と思わせるほどの勢いを見せていた
2、3日前に-3.7℃と今冬一番の冷え込みを記録した日の朝、目に飛び込んできたのは…
2日ほど-2度まで下がってもへっちゃらだったのに、ついに力尽きたらしい
それでもいくつかの株の根元に小さな緑色の葉が残ってシャンとして上を向いているものがあり、急きょビニールの大きなレジ袋を探し出してきてかぶせ、にわか温室を作ってみた
復活に一縷の望みをつないでいるのだが…