平方録

イワシやアジ、サバが減りそうだなんて…

禁漁が明けてもう10日以上経っているというのに、あれほど恋い焦がれた獲れたての生シラスを口にしていない。

獲れているのかどうかすらチェックしていない。
理由はそれなりにあって、まず一つは魚屋で売っていないことである。
大方の場合、網元が浜の近くに開いている直売所を覗いて買ってくるのである。それも午前中に行かないと痛みの早い魚だからさっさと釜ゆでに回されてしまうのだ。

もう一つの理由は、妻の胃腸の不調である。
孫娘にうつされて変調を来して以降、少しづ良くなってきているようだが、完全復活には程遠くツレアイが具合の悪そうな顔をしてほとんどモノを口にしないのに、よりによって生シラスかいな、という後ろめたさもあるのだ。
そんなわけで、積極的に手に入れようとしていない。
1人で食べたっておいしくないし、ま、妻の回復待ちですナ。

ところで相模湾というところは沖を黒潮が流れ、しかも日本では駿河湾に次いで2番目に深い海だということもあって、漁場としては誠に変化に富んでいるようで、魚の種類も1000種を超える「豊饒の海」なんだそうである。
イメージ的には富山湾など寒い地方で獲れる魚の方が味がよさそうな感じがするが、必ずしもそうではないようなんである。
論より証拠、三浦半島の松輪で獲れるサバなどは築地に行くと超高級ブランドだし、キンメダイだってアジだってブリだって、旬に取れるものはみんな極上においしいんである。

そういう誇るべき相模湾に、最近やや気になる変化が出始めているらしい。
県の水産技術センターの調査結果をホームページで見て知ったのだが、ヒラメ、ブリ、マダイが「高位」で「増加」傾向にあり、一方でマサバ、カタクチイワシ、マアジ、アワビ、ナマコが「低位」で「減少」傾向が出てきていて、今後の資源動向に注意が必要だと注意を喚起しているんである。
ヒラメやブリ、マダイの高級魚が増えているんなら喜ぶべきことなんじゃないのかと考える人もいるだろう。
しかし、豊漁で安くなるって言ったって、イワシやアジ、サバのように一山200円とか300円などと言う値段で手に入るわけがないんであって、高級魚はいくらたくさん獲れても高級魚なんである。

そこへ行くと、われらが頼りとするのはアジやサバ、イワシという青魚なんである。
ボクが大きくなったのもこういう安価でたくさん獲れる青魚のおかげなんじゃないかと思っているし、長じて酒を飲むようになってからは刺身やシメサバ、タタキなどで常に寄り添っていてくれているんである。
イワシのつみれ汁なんて、ありゃぁ栄養はたっぷりだし、何よりおいしいぜ。アジの押し寿司やサバの棒寿司なんてのも思い出すだけでよだれが垂れる。酒のつまみにもなるしね。

翻ってビンボー人はタイやヒラメでは一杯やれないんである。あれは竜宮城のもので、ボクにはちょっと縁遠いし、別にそばにいてくれなくても不都合はないのだ。
しかし、アジやサバ、イワシに遠ざかられてしまうとちょっと困ってしまうだろう。
それに青魚にはEPAっていう物質が含まれていて、これは人間の血液をサラサラにし、さらに血管を若く保つのに効果があるのだ。
動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防にうってつけなんである。
幼児に食べさせればDHAという物質が脳の発達を促すそうだから頭の良い子に育つんである。

ということで、高級魚が増えることに特段文句をつけるわけではないが、漁業交渉じゃあるまいし、一方を増やすから一方は減らしましょうなんてのは御免こうむりたい。
増やすんなら青魚の法を増やしてくれよ。
センターが指摘しているように、今後の資源状況に注意が必要である。

アベなんちゃら一味にも最大限の注意を払っておかないといけないし、注意を向けるところが最近増えてきていますナ。やれやれ、ボケてる暇なんかなさそうだなぁ。



ピンぼけ状態だけど新緑の芽吹きが始まりました。まさに「催花雨」、昨日の雨で東京ではサクラの開花宣言だ出た。春はもう一瀉千里に進むだろう
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