昨日の昼下がり。
居間兼食堂の東側の窓から雨の様子を覗いていた妻が手招きする。
「あれ見て ! 」
指さす先の窓枠のサッシにヒメジャノメチョウと思われるチョウチョが2匹。
じっと動かない。
軒が張り出しているうえ、南西の風だったので東側のこの場所は雨風をよけるにはうってつけ。
身体をつなぎ合わせてまさにラブラブ中だった。
まぁ邪魔しちゃいけないので反対側の窓を開けて身を乗り出し、iohoneをズームにして撮っておいた。
こういう新たな生命の誕生を目的とした崇高な営みの最中というのは、そっちに夢中 ? でそこそこに近づいてもなかなか逃げたり離れたりはしないものだから、撮影は比較的容易である。
チョウを始め、昆虫の世界もこんなに雨降りばかりだと、行動の自由はかなり制約を受けるはずで、相手探しや場所探しに苦労したことだろう。
そういうことも考慮に入れれば「どうぞどうぞごゆっくり」と邪魔をしないのが〝生き物の道〟というものだろう。
後は知らん顔してテレビでビデオに録画しておいた西部劇「荒野の7人」を見終えた5時ちょっと前、ふと例の窓枠を見ると…
何と、まだラブラブが続いているではないか !
最初に見つけた時から、かれこれ4時間にもなる。
いったいいつまで続けるつもりか。
(この辺の心理《当然ボクの》はうらやむというより驚きというか呆れですな)
で、今度は遠慮せずにより近い側の窓を開けて30~40cmの至近距離まで近づいて写真を撮ったのだが、まったく気にするそぶりもない。
ン、お互いに恍惚感に包まれたまま失神でもしてしまったんじゃないか ?
風が吹くと、羽が枯れ葉のように揺れて、まったく意思というものが感じられない。
ひょっとして渡辺淳一の「失楽園」状態なんじゃないだろうな。
まさか、チョウチョは心中なんかしやしないだろうし…
今朝5時過ぎに件の窓枠を調べてみたら2匹の姿はさすがになかった。
窓の下を目を凝らして見てみたが、枯れ葉や雑草が邪魔になって、あの茶色の地味目な色彩のチョウを見つけることはできなかった。
昇天じゃなくて、何処かに飛び去った ?
それならそれでメデタシメデタシだけど、どうなんだろうなぁ。
なんだか好きもののデバガメみたいなことになっちゃったけれど、「へぇ~」も「ほぉ~」も、これなかりせば「へぇ~ほぉ~録」は成り立たないもので、あしからず。
4時間超も…まさに「失楽園」状態
こちらは数日前に庭にいたヒメウラナミジャノメ