「平方録」という漢字をあてたのも平安時代から鎌倉時代にかけて活躍した歌人にして名文筆家の鴨長明に倣ったわけで、かの名随筆「方丈記」に匹敵する名前を考えている時にひらめいたものである。
簡素な四角形の庵に住んで名随筆を刻んだのが長明さんならば、ボクも四角を連想させるスペースを用意して巨大な峰にあやかろうとしたのだ。
ま、能力に欠けるものがあこがれや羨望の思いを込めて先人にあやかろうとすること自体は悪いことでもなかろうと、単純で屈託のない思いから発しているというわけである。
実はこのネーミングは現役時代のバリバリのさなかにフト思いついたもので、知っているつもりでも改めて調べてみと別の解釈や見方があったり、知らなかった背景などに初めて触れた時に目からうろこが剥がれ落ちるように思わず「そうだったのかぁ~」という言葉とともに漏れたのが「へぇ~」であり「ほぉ~」だったのだ。
それを手持ちのノートに書き止めておいたのだが、その時のノートの名称に考え出したというわけなのだ。
ボクとしては大いに気に入っているのである。
数日前のことだが、新聞のテレビ欄を見ていた妻が「あなたのブログが真似されているわよ」と聞き捨てならないことを言う。
何事かとテレビ欄を覗いてみると、なるほど「歴史のへ~、ほ~」というタイトルの番組が載っているではないか。
コクエイホウソウのNHKである。
最近あのテレビ局は視聴者から巻き上げた潤沢な資金を使って、民放でヒットしている番組のパクリを恥も外聞もなく平然とまねるようなことをしている。
その汚れた手はついに市井の片隅で善良かつ健気に暮らすボクにまで及んだか、おのれ卑怯者め! 成敗してくれん‼
と思ったのだが、まずは敵の出方や如何にとビデオに収録しておいた番組を見て見たんである。
そうしたら、鎌倉幕府の成立は「いい国作ろう」の1192年ではなくて頼朝が朝廷から守護地頭の任命権を認められた1185年が定説とか、信長が始めたとされる楽市楽座の制度は隣国の今川などでも行われていて最初ではないとか、日本語の標準語が誕生したのは明治時代になってからだとか、どれも知っている事ばかりで、どこが「へぅ~」「ほぉ~」なんだと呆れてしまった。
これじゃぁ「そうなんだよねぇ~」じゃぁないの。
「へぇ~」「ほぉ~」ってのは一種の感心した感情がこもらなければいけないんですぜ。したがって軽く流して済ますようなものも中にはあるだろうけど、心底感心して腹の底から息が漏れるような感じになることも多いんですよ。
そこが重要なんですナ。
「平方録」を思いついた現役時代は、頭にくることばかりを書き止めてやろうかと、怒髪天を突くという言葉から「怒髪天録」というノートも造ったのだが、ブログ開設に当たっては、あまりに直球過ぎるので採用は見送ったのである。
現役時代は喜怒哀楽のどれも大切だと思って仕事をしてきた。わけても「怒」は仕事柄寄って立つ重要な基盤だったのである。
そういうことを含めて今は4つの感情すべてを「へぇ~」「ほぉ~」と軽く受け流そうとしてもいるのである。
だから今回のNHKのことは「へぇ~」さえも出ないので許す。というより無視!
以下の写真は鎌倉駅前のおんめ様境内にずかずかと入り込んできた秋
ワレモコウとオミナエシ
キキョウの花びらをかじる虫
シュウメイギクが咲き出しているが長雨の影響か生育不良のまま開いているようでもある
赤く色づいたホオズキとヤブラン
白いミズヒキは珍しい
トラノオも咲き始めた
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