去年12月22日に冬至を迎えた時、「よしっ、一陽来復 !」「春に向かってまっしぐらだ」「明日から日が伸びる」と小さく喜んだものだ。
あれから45日目、今日はいよいよ立春 ♪
暦の上とは言え、春は春。というより、写真にも掲げたが、南関東の海辺に立てばはるか富士山は春霞がかかったようにぼんやりし始め、真っ青な空に浮かぶ真っ白な雲はとても冬のそれとは思えない。
風はまだちょっぴり冷たいが、降り注ぐ日差しはシベリアの人たちの間で伝えられてきた表現だそうだけど、言い得て妙の「光の春」。
そしてまさに待ち焦がれた「春が立つ日」に相応しい詩が唐の時代に作られている。
白居易が詠んだ「府西池」。
白居易が感じた感動はまさにボクが立春に感じる感動とぴったり重なる。
今朝はこの漢詩と数枚の写真を掲げて立春を寿ごうと思う。
府西池 白居易
柳無気力枝先動
池有波紋冰尽開
今日不知誰計会
春風春水一時来
柳の木は力なげに枝をだらりとたれているが その枝が(春の風に吹かれて)まず(かすかに)動き
池の水面には風のため波紋が立って (冬の間張りつめていた)氷もすっかり解けてしまった
きょう(は立春であるが)いったいだれが(このようにうまく)ことを計画したのであろうか
春の風と春の水とがいちどきにやってきたことである
(この口語訳はネットから拝借)
白楽天…イイね♪
古来、その絶景で名高い竜田山の紅葉は竜田姫が染め、佐保山を取り巻く薄衣のような春霞は佐保姫が織り出すものとされている
和歌にもたくさん詠まれ、例えば…
佐保姫の糸染め掛くる青柳を吹きな乱りそ春の山風 平兼盛
(佐保姫が染めた糸を掛けた柳の枝を吹き乱さないでおくれ春の山風よ)
この湘南の海に立って眺めるのは佐保山ではなく富士山だが、佐保姫様は早速、富士山に薄衣の春霞を織り上げてくれた♪
どう見たって冬の空じゃやないよ
誰かの詩にあったな…たしか…「お~い、どこへ行くんだい?」とぽっかり浮かんだ真っ白な雲に問いかける場面が(左下に富士山 右は丹沢山塊)
風も水も…空気も匂いも…波も雲も空も…何より光が…「もう春だよ」と
佐保姫様の機織りの腕前はさすがにお見事 ♪ (写真はすべて2月2日の撮影)