3、4日前にベランダの蛇口の上に干しておいた雑巾の上にいるのをチラッと見かけていたので、それほど心配はしていなかった。
その時は写真を撮っておこうとスマホを取りに家の中に入って戻ってくるほんのわずかな間に姿をくらましてしまい、辺りを探したのだが結局、分からなくなってしまっていたのだ。
我が家の2階のベランダに居ついたバロン・カマキリのことを書くのは「蒙古斑のカマキリ男爵」「やあ、元気そうだな 心配したぜ ♪ 」に続いて3度目になる。
昨日はゴーヤのカーテンの花を点検していたのだ。
だいぶ成長してきているのに一向に実を付けないので、実をならせる雌花を探していたのだが、咲いているのは雄花ばかりでがっかりしていると、目の端にチラッとゴーヤの細いつるや葉っぱの軸とは明らかに違うカタチが映ったのである。
逆光だったので、その影はシルエットとして現れたが、まぎれもなくカマキリの形をしている。
今回も奴はしたたかに危機を乗り越えた ♪
水道栓の上で見かける以前は10日くらい姿を見かけず、心配していたのだ。
というのも、最初に認知したのが6月の中旬で、何とボクの腕の上の深い草むらを四苦八苦しながら歩いている所だった。
蚊でも吸いついたかと思ってピシャリと叩こうとしたが思いとどまってよかった。
その時はプランターのパンジーの上に逃がしてやっていたのだ。
その後が大変だったと思う。
何せ、6月下旬から7月の上旬過ぎにかけて、関東の南岸地方は雨はビシャビシャ降るわ、連日のように10mを超す南からの強風が吹きまくるわで、ベランダの植物は大波に揺られる小舟のように、大翻弄させられていたのだった。
バロンはといえば居場所だった高さ80cmほどのルドベキアのてっぺん辺りの葉裏で吹き飛ばされまいと必死にしがみついている姿を現認していたので、連日続く荒天にこれじゃ狩りをして食い物を手に入れることも出来ないだろうし、腹ペコで力も入らなくなってしまいやしないかと心配していたのだ。
それだけに水道栓の上で見つけた時は「オォ、生き延びたか」と喜ぶと同時にホッとしたものだった。
だから姿をくらましたといっても、今回はそれほど心配はなく、またどこかで…と思っていた矢先のゴーヤカーテンだったのだ。
ここ数年、ゴーヤカーテンにはカマキリが住み着いている。
夏の内は2~3匹ほどいることもあるが、秋になってゴーヤの葉がくたびれるころになるといつも1匹になっていた。
たぶん共食いの結果だろうが、そのカマキリたちの子孫が今回のバロン・カマキリだと思うと、命というものが繋がっているのだということが良く分かる ♪
それにつけてもあの少年のような小さな体で連日の嵐のような悪天候によく耐えたものだと思う。
ゴーヤのカーテンは広々している。
バロンにとっては金城湯池の縄張りを手に入れたようなものだろう。
何もはばかるようなものはない。遠慮なく狩りに励んでもらいたい。
ロクに食べてもいないのだろうに、一回り大きくなった体つきを眺めながらエールを送りつつ、楽しみが増えたなぁと梅雨明けを心待ちにする心境なのである。
ほらっ このシルエット !
身体にまだあどけなさは残るけどね
まだ背中に羽が生えてきていようだものなぁ たくさん食べろよ 君の縄張りだぜ