紅葉坂にある県立図書館に行って調べ物をした後、直ぐ近くに住んでいる中学・高校からの友人に電話をした。
コロナの3年間、一度も会っていないし、自宅近くに行ったものだから「久しぶりに昼飯でも一緒に食おう」と誘うつもりだった。
携帯電話を掛けると、やや間があって喉の奥に痰を絡ませたような、かすれた声で応答があった。
「元気か?」と問うと、口ごもりながら「いやっ、入院中なんだ…足折っちゃてさ…」という。
ぐでんぐでんに酔っぱらっていたそうだ。
夜更けにタクシーで帰宅して、家の前で転んだらしいが、「どこでどう転んだか何も覚えていない」という。
まったくいい年をして、深夜まで外で飲み歩き、挙句にぐでんぐでんになるまで…
もう古希も半ばでよくそんな体力・気力ともにあるものだとホメてやったが、あきれるやら感心するやら。
挙句の骨折とは、何をかいわんやではないか。
何があって深酒になったのか知らないが、ボクはもう外で飲んだとしてもせいぜい9時ころまでで、さっさと帰って寝たくなるに決まっている。
そもそも外に飲みに出かけようなんて気も起らない。ましてや深夜までなんてとてもとても…
「せっかく電話くれたのに…、久しぶりなのに…、悪りぃ悪りぃ」
電話の向こうでしきりに恐縮している。
普段から人付き合いの良いやつなのだが、歩けないのではどうにもならず、「退院できたら真っ先に報告するよ」といって電話は切れた。
まだ手術も済んでいないようで、自嘲気味に「看護師さんにシモの世話もしてもらっているんだ」。
まったく持って呆れかえる話だが、元気印のアホが一日も早く回復して元のようにシャバに復帰してくることを祈るばかりである。
今年も咲いた鉢植えのシクラメン