過日…といっても2,3日前の五月晴れの広がった日、かねて気になっていた「お礼参り」に行ってきた。
孫娘の姫が今春、高校受験の年齢となり、去年の夏は長い休みに遊びに来ることもなく、受験勉強一筋に明け暮れたのだが、遠くから見守りつつ応援するだけのジジイのできることは神仏の加護を願うだけ。
幸いなことに、地元には日本三大天神の一つとされる荏柄天神社があり、そこには都合、3度もお参りに行った。
きっとそのかいもあったのだろう、第一志望の県立高校に合格したのだった。
3度も合格をお願いに行った割には後のフォローはからっきしダメな質で、自分の目的さえ達成できれば後は知らん顔…という、都合のいい性格の持ち主でお礼参りをすっぽかし続けてきた。
しかし、待てよ…と考える。
人生、高校受験で願いごとはもうお終いというわけではない。大学受験が控えているし、ここは心を入れ直し、きちんとお礼参りをしておくべし…
つまり、自己都合による我田引水型、たかり型、要求型…とも言うべきチャッカリ精神がムクムク頭をもたげて来て、「次のために」という打算が大いに働き、これはお礼参りは欠かせないと思うに至ったのだった。
しかし、そこからがまた時間がかかり、合格の知らせが届いてから2カ月以上も経ってようやく、ぺこりと頭を下げて来た♪
60年前の自分の時は神仏に頼るなんてことは思いもつかず、塾もいかず、サッカーボールを蹴っていたら、夏休みが明けてしばらく経った頃、先生に呼ばれ「せめて問題集の1冊くらいやれ」と言われ、2,3冊の表題名を書いた紙をもらい、本屋に買いに行き、1冊だけ買って来てそれをぱらぱらとやっただけだった。
まぁ、自分のことは自己責任だからそれで落ちようが自業自得だが、孫娘は別。
3年後はまたこの天神様にお願いに通わなくちゃ♪
時期外れの天神様は人の気配がない
お礼が遅れたことをしっかり謝罪し、合格できたお礼をしてきた
歩いて5分ほどの杉本観音へ
仁王門の阿形の仁王
こなた吽形の仁王の出迎えを受ける
仁王門の屋根
仁王門を抜けると擦り減って苔むした石段がまっすぐ伸びている
ここは鎌倉最古の寺と言われる杉本寺
天台宗の寺で、別名を杉本観音と呼ぶ
天平6年(734年)に光明皇后の願いによって建てられた
鎌倉で苔寺と言えば妙法寺を指すが、数年前から通行止めとなった
そのため、ここの石段も苔で覆われるようになり、見応えがある
左手に新しい階段が出来ている
"天平の甍"と行きたいところだが"天平の茅"
鎌倉で最古の寺と言われるだけに本尊の十一面観音の作者がスゴイ
先ず最初に光明皇后の命を受けこの寺の創建にかかわり、十一面観音を彫ったのが行基菩薩
そして、慈覚大師、恵心僧都といった歴史の教科書でお馴染みの顔ぶれも登場し、それぞれ彫った十一面観音が3体、今でも残されている
寺伝は文治5年11月23日の夜、隣屋より火災起こり類焼の際、本尊3体自ら庭内の大杉の下に火を避けられたので、それより杉の本の観音と今日まで呼ばれたと伝えている
頼朝も深く帰依し、本堂再建に尽力している
創建以来1290年もの風雪に耐えてきた寺の独特の"匂い"の感じられる寺である