国内の大手種苗メーカー2社から相次いで分厚いカタログ集が届いた。
どちらも「2024秋冬号」と銘打たれていて、来春の花壇や畑の準備をするための花や野菜のタネや苗がぎっしりと並んでいる。
多くの人は、花や野菜を育てようとすればホームセンターなどに並べられた苗を買って来て、庭やプランターなどにポンと植えて花を楽しみ、あるいは収穫を喜ぶ。
しかし、それでは思うような花苗や野菜の苗が手に入らないことも少なくなく、お気に入りの花が咲き乱れる花園など到底望むべくもない。
「ならば真っ白なキャンバスに絵を描くように、自分で好みの花のタネを蒔いて育て、それで気に入った花園を作るのが一番」と種苗メーカーのカタログから、めぼしいものを漁り、タネを取り寄せてタネから育てるのである。
そういう訳で、カタログ集が届くと「よしっ、来年の花壇をどう彩るか…」などと思いを巡らし、ワインを注いだグラスを片手に、あるいはスコッチのストレートを舐め舐めカタログをめくり、あれこれ思案するのが"花咲じじい"の愉悦のひと時と言っていい♪
昨日は雨で家に閉じ込められたため、早速、ラフロイグの強烈な香りを楽しみつつ、ページを手繰ってみた。
春の花壇はほぼ終わりに近づいていて、中にはまだ大いに咲き誇る花もあるが、大概の一年草は終わりが近づいている。
そういう時期に、もう来年の春の花壇の構想を練り始め、夏や秋に蒔くタネを注文する準備を始めるのである♪
人気の高い品種のタネや球根は早めに申し込まないと売り切れてしまうし…
ところで、この種苗メーカー2社のカタログにも時代の変化というのがよく表れている。
何時頃だったか曖昧にしか覚えていないが、多分10年前辺りが境だったと思う。
どちらのカタログも表紙を開けると次に現れるのは花のタネであり、花の苗だった。
花が終わると"お邪魔してます"と遠慮がちに、野菜のタネや苗が続いたものだった。
ボクは当時、野菜には全く興味がなく、花の部分だけ読めば済んでいたのだが、今や、表紙に続いて掲載されているのは野菜で、主客転倒というか、花と野菜の順番が入れ替わってしまった。
2社とも足並みをそろえているから、世の中のニーズは花より野菜にシフトしたことは明らかである。
確かに家庭菜園ブームなどと言うものがあったし、それが契機になってベランダにプランターを置いても野菜は出来ますよ、などと庭を持たない人にまでキャンペーンじみたものがあったような気がする。
あれは「次は野菜で稼ごう」という種苗会社の深謀遠慮だったのか…と今更ながら思う。
そしてあろうことか、国内2社のうちのS社のカタログに占める花のタネの割合が年々細っているのが気に喰わない。
極端は話し「エッ、これだけ?」と感じるくらい、花のタネは種類が少なく、ページ数は薄っぺらである!
慰めはもう1社のT社方が健闘していて、昔とほぼ変わらぬ種類のタネを用意してくれていること。
T社の健闘を祈るばかりだ。
それにしても、世の中の値上げの波は留まるところを知らないようで、花のタネの値段の高騰ぶりも目に余る。「花よ、お前もかっ!」である。
花のタネくらい値段を気にしないで買いたいのだが…
防衛策として今年から種を採取するようにしているが、化学処理を施して生み出された種類の中には1代限りしか特徴が現れない品種もあり、そういう品種ではタネを採取しても似て非なるものが咲いてしまう。
野菜と違って体の栄養にはならないし、腹も満たせないが、花の効能は心を潤すことだから…
"花咲じじい"の肩身が狭くなるような世の中なんて真っ平御免である。
「空蝉」はそろそろ2番花が咲き出すが。これは"1.5番花"
挿し木して3年目の「空蝉」の若木の1番花が今頃咲き出した
「ブラッシング・アイスバーグ」はほぼ終わりかけている
嵐を前に昨日、山の神が切り花にしてご近所に配っていた
「バーガンディー・アイスバーグ」も終わり 次は2番花に期待