海沿いの鎌倉は未明から南風が強く、気象庁が定める春一番の基準の風速８ｍ以上を記録したと思うのだが、肝心の気象庁の百葉箱ではそこまで届かなかったと見える。
結局、金沢地方気象台が「北陸地方に春一番が吹きましたよ」と発表しただけで、そのほかの本州各地はどこも音沙汰なしだったのには少々がっかりした。
まぁいい、わが海辺の町には春一番が吹いた――そう勝手に思うとしよう。
それでも正午のわが家では大きなガラスの開き戸を開け放しにした２階の部屋の温度は２４．９度にもなり、ふと気が付くと２５度を超えていた！
２５度超は夏日じゃないの！ それも立春の夏日?!
春一番って言うのは名前は素敵だが、要するに強い風がビュンビュン吹くわけで、自転車を愛好するボクには不倶戴天の敵のようなもので、風はそよ風程度まででいいと思っているのだ。
畢竟、縁起物というか、季節のご挨拶だから仕方ないと思っているわけで、気温さえ上がってくれれば本望である。
そういう意味で、しばらく休んでいる自転車の掃除にもボチボチ取り掛かって、ピッカピカに磨いた愛車で早春の海辺や野山の細道に繰り出す初乗りの日に備えたいと思う。
昨日はベランダと部屋との境目にキャンバス製の寝そべるように座れる椅子を持ち出して〝夏日〟の日差しを浴びながら読書にいそしんだ。
９時過ぎには風も止んでしまってポカポカ陽気の自転車日和だったのだが、何せ３時からの大腸の内視鏡検査に備えて下剤を飲んでいたのだから、フラフラできるわけがない。
苦肉の選択だったわけだが、短パンに履き替えて太もも以下を太陽にさらしたら、その暑いこと暑いこと！ いや、熱いこと熱いこと、肌は焼けるように熱い‼
この感覚、すごく嬉しい。春は暦の上だけだけれども、実際の皮膚感覚は嘘をついていない。正真正銘、力強さを取り戻しつつある陽の光が現にそこにあったのだから♪
内視鏡検査では去年同様、１、２個の小さなポリープを摘み取って検査に回したが、色合いや形などから心配はないだろうという見立てだった。
ポリープなんてものはない方がいいに決まっているのだが、何せ欲張りだから持っている人がいると聞けば、ボクもぜひ欲しいと思う浅ましさが我ながら情けない。
ポリープをつまんだために腸壁にはいささかなりともキズが付いたわけで、「出血すると嫌なので今日はお酒を我慢してくださいね」と念を押されて帰って来た。
お陰で何とまぁ手持無沙汰で味気ない夕食だったことか。しかも立春大吉に乾杯できないなんて…
休肝日？
おあいにく様、年中無休！ これぞモットーなんですナ！
立春の日の正午の温度は２４．９度！
間もなくすると…… 正真正銘の夏日?!
庭のネモフィラも生き生き♪
