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平方録

ホタルカズラも咲き出した ♪

「おう、熊さん、どしたい? また浮かない顔してるぜ」
「やぁ、八っあん。ヤな世の中だねぇ、まったく」
「何がさ?」
「福島第一原発で貯まり続ける汚染水をいよいよ海に捨てるってぇ話だぜ。ガースがそれで押し切るって決めたらしいや」
「ん? 漁業者や国民は納得してんのか?」
「してるわけないだろ!」
「そうだろぅ。なら、何でそんな乱暴なことができるんだよ」
「増え続ける汚染水を貯めておく場所が無くなっちまったんだと」
「あんなにたくさんのタンクがボコボコ並んでいてもかい?」
「もうタンクを作る場所が無くなってるんだってさ」
「そんなの最初から分かり切っていたことじゃないか。なんでもっと早く『どうするか』を決めなかったんだ」
「オイラもそう思うよ。だけどな、アベなんちゃらも含めて歴代の政権は面倒なことは結論を先送りにしてきたって訳さ。そのツケが今、回って来てんだよ」
「だからって、いきなり海に捨てるってのも乱暴な話じゃね~か」
「そうとも、乱暴よ。でもな、ガースの得意技だよ、こういうやり方は」
「沖縄の辺野古問題一つとってそうさ。あいつは民意なんてものは全く関係ねぇ~んだよ。地元が何を言おうが、民主主義の手続きにのっとって選挙や住民投票で何度『ノー』と言ったって、全部無視だよ」
「そうだったなぁ。ひでぇ~話があったもんだよなぁ~」
「お上がいったん決めたものが絶対で、下々が何を言うか!ってのがガースのそもそもの政治姿勢さ。聞く耳持たねぇ~ってんだから始末に負えねぇ~よ」
「まったくだ」
「汚染水問題だって、真っ先に被害を被るのは福島や隣接の茨城など近隣の漁業者たちだろ。これまでだって獲れた魚が放射能に汚染されてんじゃねぇ~かっていう風評被害が立って、さんざ苦労させられてきてんだよ」
「そんなところにまた汚染水の海洋放出が始まったら、さらにダメージが大きくなっちまうってことか」
「その通りだな」

「でもさ、熊さん、そもそも汚染した水を海に流すってのは理に適ってるのかい?」
「あのな、どうやら国際的にも認められた方法らしいんだよ」
「なら、我慢するしかねぇ~んじゃないの?」
「そこだよ八っあん。海に放出する場合の濃度は基準値以下に薄めてからじゃないとダメとか、ルールはあるんだよ。でもな、それがちゃんと守られてりゃいいよ」
「うんうん、東電のやることはいつだっていい加減だから、その辺は大いに心配ぇ~だな」
「だろ! ルール通りに捨ててるかってのを誰がどうやって監視するかだよ」
「なるほどな、そこも肝心だね」
「そういう事後の監視体制も含めて、不安に感じて反対している漁業者はもちろん、魚を食べる消費者だって安心できるように、丁寧に説明し、それならなんとか納得できるっていう風にならなきゃなぁ。それが出来ないってことは、地元の漁民たちが10年経ってなお、これから先も苦しまなけりゃならないことになっちまうんだ」
「日本語には『意を尽くす』っていういい言葉があるんだがなぁ…。誠意をもって丁寧に説明すれば、大概のことは納得してもらえるだろうに。大事なことだよなぁ」
「ガースはそういう丁寧さとは対極にいる人間だからさ。問答無用、黙ってお上の言うことを聞けっ!だもんな」
「そんなことじゃ、漁業者はもちろん消費者だってみんなが不幸になっちまうじゃん」
「そういうことになっちまうよなぁ。発展から取り残された貧しい独裁国家みたいだね」
「そうかっ! 五輪誘致の演説でアベなんちゃらがドヤ顔で『アンダーコントロール』って言い放ったのは『国民は問答無用で黙らせている』ってことだったのかぁ…」



見出し写真はわが家で早くも咲き出したホタルカズラ
この目玉焼きみたいな花はこぼれダネで生えてきたリムナンテス


無農薬のバラの葉にテントウムシがいた

久しぶりに富士山が姿を見せてくれたが、頭だけ=稲村ケ崎

薄っすらぼんやりと頭だけ…=片瀬西浜
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