朝夕は依然として暖房が恋しくなる肌寒さだが、さすがに一時の寒気は抜けたと見えて日中は再び20℃に届くようになった。
気温が上がって来ればこっちのもので、太ももに当たる春風が心地よい。
出来ることなら旅に出たいし、焼き鳥屋のカウンターの前で友人たちと酒を飲みたいが、今はまだそうもいかない。
だから三密を避けるだけでなく、できるだけ人との接触を避けるという‶人の道にそむく行動〟を心がけねばならない。
こんな現実にはお釈迦様もキリストもアラーも目を剥いてビックリしているに違いない。
太ももを指して「第2の心臓」という。
この第2の心臓を活発に働かせることで全身の血の巡りを良くすれば、少なからぬ効用が現れてくること間違いなし…と、その筋の専門家は言うのであるからそうなのだろう。
加えて風景の良い所でペダルを漕ぐと、巻き起こす風が頬を撫でて感じる気持ち良さはもちろんだが、それ以上に縮こまったり圧迫されていた心がみるみる解放されて伸び伸びし始めるのを実感する。
でも、仕方なしにだろうが、室内で止まったままの自転車を漕いで我慢する人がいると聞くと「はぁ~」とため息が漏れ、それは何ともゴシュウショウサマ、というしかない。
まだ若い頃だったけれど、5月の大型連休に鎌倉から東京まで自転車を漕いで行き、妻の実家に泊めてもらって皇居周辺はもちろん銀座やかちどき橋方面など人も車も消えてガラガラになった都内をスイスイ走り回らせてもらったことがある。
東京は道幅が広いし、新緑の季節だったこともあって、街路樹が光り輝いていて実に美しかったのを覚えている。
「東京って美しい街なんだ!」って…
多摩川や江戸川、荒川などの堤防の上の道も自転車を漕ぐには清々していい場所なんじゃないのかな。
昨日は海沿いの自転車道を西に向かって漕いだ。
大磯の旧吉田茂邸のところまで行って戻ってきた。走行距離は55km。
帰り道は南西の風が追手になってくれて帆掛け船の帆を背負った如く、背中を押してくれたものだから♬ スラスイスイス~イと楽チンだった。
ハマヒルガオの群生が見られる海岸 しばらくすると淡いピンクの花で埋め尽くされる=茅ケ崎・柳島海岸(見出し写真も)
背後に横たわる山波は箱根連山
3、4日前に通りかかった時はまだ咲いていなかったが、ポツリポツリと咲き出した
自転車道のすぐ脇に濃い紫色をした花がこぼれていているのに気付く=茅ケ崎・菱沼海岸
こんなに咲き乱れているのは初めて見た…というか気が付いた
スイトピーに似た花で、エンドウ豆にそっくりな実は天ぷらとかお浸し、あえ物にして食べられるらしい。ただし、若干の有毒成分を含むため、食べるのは少量にとどめておいたほうがいいと書かれていた。
相模川河口に並んだ杭にカモメやカワウが羽を休めている=湘南大橋の上から
数年前の句会で上野の不忍池で詠んだ「亀鳴くや杭の数だけ都鳥」を思い出した。「亀鳴く」が季語で、その時の句会のお題だった。
それにつけても、海鳥(水鳥)ってやつは水面から頭を出している物は黙って見過ごせないものらしい。
橋の上には丹沢山塊が迫る。右端のピラミッド型の山は大山。
広重の東海道五十三次・平塚宿に描かれた高麗山。
大磯港の上を背中に扇風機の親玉のようなものを背負ったパラグライダーが飛んでいく。
大磯港には瀟洒な建物が出来ていて、海と山の地元産品が売られていた。
西湘バイパス沿いの自転車道は「太平洋岸自転車道」と名前を変える。ここまでくると箱根の山々がすぐ近くに迫る。
旧吉田邸の庭に立つ吉田茂の銅像。サンフランシスコ講和条約の調印が行われたサンフランシスコのある東を向いて立っているが、松に遮られて見えないんじゃないのかな。
極めて行儀が悪く品も無く、しかも頭も悪そうな現職財務大臣に、大局を理解し、将来を見据えて日本の針路を定めた吉田の爪の垢でも煎じて飲ませたいが、爪の垢より濃い血が流れているとはとても思えないのが残念である。短気で品のない所だけを受け継いでるようじゃ話にならない。
午後3時過ぎの湘南海岸・片瀬西浜から見た西の空。今朝は雨が降り出しているが、その予兆はこの時から現れていた。