アベなんちゃらが五輪誘致演説で「フクシマはアンダーコントロール!」と世界中に向かって大ウソをついた時から、トーキョー五輪には強い嫌悪感を抱いてきた。
去年、延期が決まった時はこのまま延期が続いて中止になればベストだと思っていたが、何のことはない、さらに世論無視の強権首相が登場してすべてなし崩しで開催強行の流れを作り、挙句の果ては無観客を一顧だにせず上限1万人をごり押ししたかと思えば、別枠の関係者をさらに1万人観戦させるんだという。
感染症の専門家が「無観客が望ましい」と繰り返して来たのは何のためだ?
それがあれよあれよと2万人にまで膨れ上がってしまった。
しかも、許せないのはテレビでこの種の話題を取り上げる番組に登場したスポーツジャーナリストだかなんだか、ジャーナリストって意味が分かっているのかと首を傾げたくなるようなヤカラが「記者たちを含めて関係者って言うんですから、まぁ当然でしょうな」と涼しい顔で言うのにはホトホト呆れた。
記者が1万人になるはずがないじゃないか。
こんな程度の低いコメンテーターを使うテレビ局の程度の低さも同罪だ。
この「関係者」ってのは一般の観戦希望者が払う正規のチケット料金の何十倍何百倍もの金額を支払ったスポンサー筋のニンゲンだから、いわばプレミアム料金を払って「観戦」する人々を指す。
ここにはIOCの外国企業スポンサーの関係者も加わるだろうから「観戦」に加え「ニッポン観光」にやって来る連中である。
着飾って特権意識をちらつかせながらやってくることだろう。
そんな連中に、「ホテルと競技会場だけの行き来以外はホテルでじっとしていてください」なんてお願いは通用するわけもなく、銀座や浅草などに、あるいはそこから足を延ばして京都や鎌倉なんてところにもフラフラ出掛けて行くことだろう。
ガースの言う「安全・安心の五輪」と「出来る限りの感染対策」とやらが聞いて呆れる。
「観戦」が「感染」に変化するなんてことはキーボード上だけの話じゃないよ。
そして、何を寝ぼけたことを!と開いた口が塞がらないのが観戦スタンドでのアルコール提供の検討。
どこぞの政党のローガイの見本みたいな大幹事長サマがどういう風の吹き回しか「世論の納得を得られないようなことはするもんじゃない」と批判を口にしていたが、そんなことはこのローガイ幹事長から言われるまでもないことだろう。
いくらJOCの大スポンサーの中にアルコール飲料の製造販売会社が加わっていて独占販売権を与えているからと言って、こんなことがまかり通ったら、少なくとも東京の飲食店はムシロ旗を立てて開会式当日の国立競技場を取り囲むだろうよ。
会社も会社だ。人々の命がかかっている時に、何もごり押しで商売しなくてもいいんじゃないか。
‶ドライ〟で売っているこの会社のCEOが一言「感染リスクを高めてしまうようなことはしない」と言えば、逆に一目置かれて売り上げも伸びると思うぜ。
政治家から商売人まで、寄ってたかって五輪で利益を得よう、稼ごう儲けようという連中が目をぎらつかせて目の色を変えだした。
コロナ禍の最中にいるってことなどコロッと忘れているかのようだ。
こういう時が本当に危ないんだ。
(見出し写真は広町緑地のツユクサ 青色が深くて印象的だった)