平方録

吟行はミーハーの風に乗って

昨日は久しぶりに横浜まで出かけた。
句会参加のためだが、吟行コースとして設定されたのが何と港の見える丘公園〜外国人墓地〜元町商店街!
このコースは横浜観光の定番中の定番で、いわば入門コース。
これに中華街での食事を加えれば「鉄板」コースの出来上がりである。
さすがに吟行後の合評を行なった会処は中華街ではなく、中華街と元町の間にあるイタリアンレストランだったが、ここも人気店である。
そいうい意味では、句会そのものは渋めなのだが、ドップリとミーハーの世界に浸った吟行だったとも言えるのだ。
こういうことも稀にはあるものである。

港の見える丘公園に隣接する花壇では26日から6月までの期間、全国都市緑化フェアが開かれる。ここと山下公園、みなとみらい地区の高層ビル群の谷間が会場になるのだが、これらの花園のプロデュースを担当しているのが横浜イングリッシュガーデンの河合 伸志スーパーバイザーである。
その準備の進展具合、花園の出来具合といったものを、この目で確かめてきたわけで、さすがに準備万端整っている。
あとはバラやその他の草花の開花を待つばかりで、この花園が将来もきちんと維持されていけば、この横浜観光の鉄板コースはプラチナコースかダイヤモンドコースに格上げ間違いなしといったところだろう。
第1、横浜の「市花」がバラである。加えて、横浜イングリッシュガーデンの血筋を正統的に引いた庭がミナトに面して出現する意義は小さくない。
本家のガーデンにも大勢の人を集めるきっかけになれば、さらに喜ばしい。

外国人墓地では維持管理費用集めを兼ねて墓地内が公開されていた。200円の協力金を払って、これも久しぶりに歩いて見たが、開港以来150有余年、さすがに古びて苔むしたり、刻まれた文字が薄れかけてきている墓石もちらほら目を引いたが、全体的には綺麗に掃除もされ、落ち着いた佇まいは以前のものと変わらない。

シドモアさんといって、ワシントンのポトマック河畔のサクラ移植に尽力した女性ジャーナリストや外国人として初めて落語家になったブラックの墓、桜木町〜新橋間に初めて蒸気機関車を走らせた鉄道敷設の技師長エドモンド・モレルも眠っている。
これは鉄道記念物に指定されていて、真新しい標識が建てられていたが、モレルは28歳の若さで、鉄道の開業を見ることなく逝ってしまったことも書かれていて、様々なことを思わせてくれた。
そういう時代だったんである。

春まだ浅しのヨコハマ入門コースはこれくらいにして、わが作品。お題は「猫の恋」でした。

片思いあるのかしらん猫の恋

猫の恋三日月見上げる影一つ

老僧の這いつくばりて梅花散る

大寒や炬燵のシミの酒二合

斜張橋春を支えて斜めなり



横浜港をまたぐピンと張った斜めの線が美しい斜張橋のベイブリッジ


鉄道の父エドモンド・モレルの墓


墓地内の一画。まだ葉の出ていない木立はモクレンらしく、蕾がいっぱいついていたから、開いたらさぞや見事だろう
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