平方録

おまじないと寒冷アレルギー

今朝はずいぶんと涼しい。
辺りがまだ真っ暗な午前4時過ぎの室温は27度台だが、外気温は24度そこそこである。
真夏の空気に慣れ親しんできた体にはオヤッ! と思わせるほどの体感で、ランニングシャツで肩を丸出しにしていたら肌寒く感じたほどだ。

夏直前の長期予報やその後の修正予報でも今年は猛暑で、しかも残暑は9月一杯か10月の最初頃まで続きそうだと言っていたはずだが…
昔フグ好きの大阪人はフグ料理を食べる前に「天気予報、気象庁」と呪文のようにつぶやいてから食べたんだそうだが、これなんぞはフグの毒に「当たらない、当たらない」というおまじない代わりだったそうだから、気象庁も随分と愛されていたものである。
宇宙から観察を続けたりスーパーコンピューターを使うなど、観測の精度は超が付くくらいに飛躍的に向上してなお、状況は変わらないようである。
自然というものがそれだけ人知を超えた存在なのだと言うことがよく分かる。
それでいいのだ、とボクは思う。超えよう、征服しようという立場にボクは立たない。

昨日の円覚寺での坐禅も8月とは思えないくらい涼しかった。
この時期、別にそこまで気温を下げなくたっていいんですぜ、と言いたいくらいだった。この場合、誰に言うのかというのはまた別の話である。理屈っぽい小学生にはとても通用しないだろうけどね。
それはともかく、帰り道にバスを降りて歩いていると一筋ふた筋だったが、ひんやりした空気を感じたのだ。

ボクは寒冷アレルギーを持っていて、温かな空気に包まれてヌクヌクしているいる時にこの「冷気」とも形容できる冷たい空気が鼻腔に届くと、てきめんにくしゃみを連発し、ひどい場合は鼻水と涙が止まらなくなって、鼻の両脇がティッシュの摩擦で真っ赤に染まるまで止まらないんである。
その有様は我ながら情けなくて、電車の中などでこの状態になると周りの人にも迷惑だから穴があれば隠れたいのだが、自分自身も苦しくて仕方ないし、そういう場合は早く時間がたたないかと鼻水と涙で顔をグショグショにしながらハックション、ヘックションが収まってくれるまで地獄をさまようのである。
残念ながら、これを防ぐおまじないを知らないのだ。

その冷気を感じてしまったのである。それが早いのか遅いのかなどと言うのはどうでもいいことなのだが、またその時期がやってきそうなのは間違いない。
どうでもいいことなら書かなければいいものをと思うが、歳を取ると自制が効かなくなるのだ。
一方でジジイになると体質が変わるというけれど、こういう方面の体質改善は歓迎なのだがどうなんだろう。
かつてはブタクサが原因だろうと思っていたのだが、いつの間にかブタクサが激減して辺りから消えてもなお症状が止むことがなかったので、ハハァ~ンと思った次第なのだ。

涼しい空気に慣れ切ってしまえば何のことはないのだが過渡期が問題なのである。
涼しくなってしまったゆえか、今朝はヒグラシの声が聞こえなかった。
屋根の上でカラスがギャアギャア騒いでいる。
他の屋根のカラスたちと交互に鳴き声を交わしているからコミュニケーションなんだろうが、何事かあったのかもしれない。あるいは何かを起こそうとしているのか。
それにしてもうるさい。



円覚寺境内もこの時期はさすがに咲いている花は少ない。黄梅院ではムラサキシキブの実が色づき始めていた


小高いところにある龍隠庵に人だかりができていた。和服姿の女性が目立ち、食事をしている人もいれば立ったまま談笑している人もいて、和尚は輪の外に立っている。何の集まりか分からないが不思議な光景である




円覚寺の隣、大船に抜ける道筋の横須賀線の線路わきの小高いところにひなびた神社が立っていて、鳥居などは線路に転げ落ちそうである。その寂れ具合には捨てがたいものが…
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