これを見てすぐピンとくる人は、なかなかの園芸好き、花好きの人である。
例年より遅くなってしまったが、夏から秋にかけて咲かせる花の種を通信販売で注文した。
順にサルビア、インパチェンス、ニチニチソウ、ナスタチウム、アサガオ、野菜のゴーヤーの種につけられた名前である。
ゴーヤーは収穫も兼ねて真夏の日よけ用に毎年2階のベランダのプランターに植えている。一石二鳥なのだ。
もうかれこれ30年近くになるが、種苗メーカーの会員になり、毎年2回送られてくる花や野菜の分厚いカタログをめくりながら、来春の庭はあの花で埋め尽くそうとか、夏から秋にかけての花壇にはあの色が欲しいなとか、思いを巡らし、種を注文し、届いた種を撒いて芽を出させ、大きく育ててから花壇やプランターに植え付けるのである。
この何段階もある工程の中で、最もわくわくする瞬間がカタログの中から、これぞ、という種を探し出す時なのだ。
育った時の背丈や、他の花との配色のバランス、咲いている期間、育てやすい花かどうか、などなど、いくつかの条件を考慮しながら選ぶから、時間がかかる。
そして花が開いた時の光景を思い描く…。こんな楽しいことはない。この段階ではまだ空想の世界だが、やがてこれが現実になる時が訪れるのである。
もちろん手間暇かけなければならない。
魔法使いがステッキを一振りして荒れ野を花畑に変えてしまうようなやり方は通用しないのである。
ホームセンターとか街のこじゃれた花屋に行けば簡単に手に入るだろうに、という考えも底が浅い。
街に出回っている品種はポピュラーなものばかりなのだ。
生産者が育てているのは万人に人気があって、売れ残ったりしないような無難なものばかり。
そういう苗を買ってきて満足するような初心者とは、年季の入り具合が違うのである。
例えば冒頭に挙げた種のうち、ジャムズ&ジェリーブラックベリーは名前で分かるように黒色に見えるニチニチソウなのだが、こういう色合いの花は市場には出回らないのだ。
キンレンカも街で売られているのはオレンジか黄色だが、ジュエルミックスはオレンジと黄色に加え、肌色やオレンジと黄色が入り混じった色合いの花など微妙な色合いの花が含まれるのである。そういう花はいくら欲しくたって売っていないのだから自分で育てるほかない。
暁の混合の種は1袋たった10粒なのだが、その色合いは和の特徴を持った複雑なもので、高級な和服の色合いがなかなか表現しづらいように、単純な単一の色合いではないのである。ゆえに、それらが実際にどんな色合いで咲いてくれるのか、それを見るのもまた楽しみなのである。
カタログは300ページほどあり、花の種はそのうちの30数ページにぎっしり並んでいる。
それを見るだけでも満足なのだが、花に限らず野菜の種や苗、果ては肥料や農薬、シャベルにハサミ、ジョウロにホースなどなどの園芸グッズがぎっしり詰まっていて、園芸好きにはそれこそ玉手箱なのである。
種が手元に届くまで数日。天候が不順でも発芽に必要な温度を一定に保ってくれる秘密兵器を持っているのだ。
これを使って芽を出させ、5月の連休明けくらいには定植させたいと思っている。
いよいよ忙しくなってくるのだ。
三浦海岸駅のすぐ近くの人気の回転ずしで食べた地魚のランチにぎり。ヒラメ、メダイ、ヒラマサ、サワラ、サバの地魚にあら汁がついて何と1026円。どれも美味しかったが、特にヒラメはねっとりと歯ごたえがあり、好物のサバは甘みを感じるほどで大満足。2時近かったのに満席だったのもうなずけた。
最新の画像もっと見る
最近の「随筆」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事