髪の毛が伸びてきて気になること気になること…
特に襟足の部分、首筋辺りを掌でなでるともう伸び放題に伸びた暴れ毛がもじゃもじゃと指先などに当たり、不快この上ない。
そのまま指で引きちぎりたい気分だが、実際には痛くてそんな真似は出来っこない。
4、5日前から散髪しに行こう、3か月ぶりに行ってこようと思っていたが、土日は混みあうだろうとか、月曜休みかと思ったら火曜日だったりでタイミングが合わず、結局木曜日になってしまった。
「今日こそ決行!」と決めたのはいいが、混みあう時間帯は避けたい。
昼下がり辺りの気温が最も高くなるころ、表通りから人影が消えかかるころが狙い目かとも思ったが、午前中だって平日なんだから、それほど込み合う訳も無かろう…と判断したのが間違いだった。
9時開店の散髪屋に9時50分に着いた。
待っていてもせいぜい1人か2人でありますように…とドアを開けると、既に先客4人が待合室に座っている。
ゲェ~ッ、ボクは5人目。
がっかりしたが出直すのも億劫だ。そのまま5人目の待ち人となった。
すると、次から次に客がやってくる。
5人目のボクでイスは満席になっている。
次の人は補助いすを引っ張り出して腰かける。次の人も…次の人も…
補助いすも尽きたところでまた客が…9人目の客である。
8人も先客がいてはさすがに引き上げるだろうと思ったら、立って待っている。
善良な先客8人は詰め合ってスペースを確保し、順繰りに詰め合ったが、肝心の9人目は空いた補助いすにさも当然という顔で座り、「ありがとう」の一つも言わないのには呆れた。
ったく、どういう精神構造をしているのだろう。
そんな珍しい光景を半分楽しみつつ、ボクは50分も待ち、カットのみでわずか15分で終了。
結局9人目の客が待合室に入った時、散髪台にいた3人と合わせ、計12人もの客が散髪屋にいたことになる。
しかも、みんなジジイである!
これが現実の日本社会なんだ、これが現実なんだ…と思わせるに十分すぎたし、ここにいた12人のジジイなんて氷山の一角にもならなず、シロナガスクジラの汗の一滴のようなかすかなものだろう。
そう思うと何だか怪談話を聞かされるより背筋が寒くなる話だが、合わせて胸糞が悪くなるというか、空恐ろしく感じられたのでありまする。
そして何より、散髪屋の12人は自分の足で暑い中を歩いて店までやってきた。
これは慶賀すべきことだが、世の中にはそれが出来なくなったロージンたちもまた大勢いるということを忘れるわけにはいかない。
自力歩行はロージンどもにとって最低限の文化的健康的な生活維持のための最重要ツールとわきまえなければならない…なんちゃって♪
さて、今日から9月
近所の寺ではまだハスが咲いている
ツボミまで…