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平方録

足元の春

こういうまっとうな司法判断に出会うのは久しぶりだ。

3年前の参院選応援のため札幌駅前で演説中に「安倍やめろ」とヤジを飛ばした男性がその場から違法に強制排除され、「増税反対」と叫んだ女性もその場から移動させられた上、警察官らに長時間付きまとわれた事件。

札幌地裁は「(原告)2人の表現の自由などが違法に侵害された」として慰謝料などの支払いを命じた。

判決理由の中で表現の自由について「民主主義社会を基礎づける重要な権利であり、公共的・政治的表現の自由は、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだ」とまで指摘している。

中学で初めて憲法というものを学んだとき、最も深く印象に残ったのが第9条に代表される平和主義であり、判決が言う「表現の自由は民主主義社会を基礎づける重要な権利」という部分だった。
日本国憲法の「平和主義」「表現の自由を含む基本的人権の尊重」「国民主権」の三大原則を習った後、漠然とだが、表現・言論の自由にかかわる仕事がしたい…と思ったものだった。
この願いはかない、42年間初心を貫きつつ働くことができたと思っている。
しかし、最近はその憲法そのものがアベなんちゃらによって踏みにじられ、世の中もそれに対して危機感を持っていないように見えることに不安を感じている一人である。
そういう人間からしてみれば、なおさら今回の司法の判断のまともさが嬉しい。
 
件の参院選の前の総選挙だったか、選挙戦最終日の秋葉原駅前の演説の最中、「帰れコール」を浴びたアベなんちゃらが、言うに事欠いて「こんな連中」という表現を使って「負けるわけにはいかない」と金切り声を発したことがあった。
自分と違う意見の持ち主に対して一国の総理大臣の立場にあるものが「こんな連中」呼ばわりするとはこれ如何に。
それ以来、アベなんちゃらの選挙演説の警備はピリピリムードが広がって、ついには札幌駅前の北海道警の暴走につながっていくわけだ。
選挙で自分たちの主張を一方的にしゃべり続ける街頭演説で、それに反対する立場の人たちからヤジが飛んだからと言って、いちいち反応している場合か?
ましてや最高権力者は、耳触りの悪い反応も含めて政治に反映していく度量が必要なのだ。
反対意見には聞き耳を持たず、単に排除するだけで耳触りの良い反応や意見だけで世の中を自分の思い通りに動かそうというのがアベなんちゃら以降の与党の姿勢である。
プーチンとどこが違うんだ。
 
民主主義を放棄するならいざ知らず(ボクは絶対反対だけど)、今回の至極まっとうな判決をきっかけにわが民主主義国家が明記している権利が尊重される社会を取り戻さなければと、つくづく思う。
 

ソメイヨシノばかりを気にして上ばかり見ていたけれど、足元の春もなかなか愛おしい


カラスノエンドウはおなじみだが、名前の由来は「カラスのエンドウ豆」という意味ではなく、熟したサヤが真っ黒になることから連想されたんだそうな


「スズメノエンドウ」ってのもあるらしい 「カラス…」より小さいのが名前の理由だとか


御馴染みタンポポ ひとは余り見向きもしないが、たくさん咲いていると奇麗だよな


春が進んだと見えて、あちこちで花を見かけるよになったのがタチツボスミレ


山路来てなにやらゆかしすみれ草 松尾芭蕉


キツネノボタン…だよね


ボタンは衣服のぼたんかと思ったら花の牡丹らしい
 

草むらの片隅に咲いていた 多分…トサミズキ


今や園芸種なんだろうけど、元は野生種でこんな感じで草むらや森の端っこにでも咲いていたんだろう
 

よくよく見れるとホトケノザも個性が光る





 
 
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