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平方録

角兵衛獅子の出演はなかったけど

サーカスを見てきた!

トンガリ帽子のような尖塔が何本か立ったサーカスの大きなテントを見ると、とてもワクワクしてくる。
3、4年くらい前の春休みに横浜まで出かけてボリショイサーカスを小学校1、2年生の姫と2人で見たことがあった。
それ以来だが、あの時は会場は体育館だったから、中に入るまではごくありふれた景色の中を歩いていくだけで、特段の意識の盛り上がりも感じなかったけれど、遠くからでもトンガリ帽子が見える今回の光景というものは期待感が高まってやっぱりいいもんだ。

ボクの暮らす町にサーカスがやってきたのはおそらく鎌倉幕府開闢以来初めてじゃないかと思う。
そもそも、まとまった空き地なんかない所だが、たまたま市役所を移転新築するための広大な土地があり、建設工事がまだ動き出していないのでその土地が使われたという訳なのだ。

やってきたのは「ポップサーカス」という集団。
世界中からハイレベルな技量を持つ演技者を呼び集めて演技を披露しているらしく、中国伝統の雑技団の流れを汲んでいると思われる少女たちや黒人のたくましい男子とあどけない少女のアクロバット的な演技、その他明らかに人種が違うなという芸人たちが体操ニッポンの選手に負けないくらいの超技量やそれぞれのパフォーマンスを披露してあっという間の2時間だった。

中国の娘たちが背中を床に付けて直角に伸ばした足の裏で大きな太鼓のようなものをくるくる回すおなじみの演技では、だんだん難度が上がってゆき、一人の足の上に寝転んで太鼓を回している娘が隣に放り投げられるように移動する場面で3人のうち1人だけ失敗して落下してしまった。
会場からはキャァーっと悲鳴が上がったが、あの子はきっとこっぴどく叱られ、お仕置のため今夜の食事は抜きだぜ、とか、黒人のアクロバットチームの少女はあの広大な大陸のどこからかさらわれてきて仕込まれたに違いない――などと思うのは、戦後まもなくのころ、親から言うことを聞かないと〝人さらい〟に連れていかれてサーカスに売られちゃうぞ、などとしょっちゅう脅されていたせいだろう。

〝人さらい〟はともかく、そこにどうしてサーカスが出てきていたんだろうね。
江戸時代のことは知らないが、角兵衛獅子なんてのがあったらしいけど、そういう役回りを担わされた子供を〝鞍馬天狗のおぢさん〟が助け出して、やがて天狗のおぢさんの手助けをするようになるって読み物を読んだような…
昔の子どもも大変だった。
でも今の子どもは親から虐待を受けて殺される子が何人もいるってんだから尋常じゃない。
殺されるくらいならサーカスや角兵衛獅子の方を選ぶって子もきっといるだろうに。

冗談はともかく、決まって締めくくりに登場する空中ブランコはいつもながらハラハラドキドキ。
空中でブランコから手を放して飛び移る側の演技者が、天井にくっつくくらいの高いところで片手はブランコをつかみ、片手は柱をつかんで小刻みに体を動かしてタイミングを計りながら、その時を見計らってエイッ !と飛び出していくところは見もの。
ホントに真剣な目つきをしていて、飛び出す演技者と呼吸のタイミングを同じにしないと見ていて息苦しくなってしまうし、イザ飛び出す瞬間はこちらの息も止まる !
何よりも受け止めてくれる側の人間との呼吸が合わなければ落果してしまう訳で、あの緊張感はやっぱりサーカスの華。
おなじみで分かり切った演技なんだけど、やっぱり迫力があって、間近で見るとスゴイや。

今回はチケットをもらったので行ってきたが、もうい一度見てもいいなぁ。
テントの破れ目みたいのを探すか…

フィナーレに登場した出演者が掲げる国旗はそれぞれの出身国か

来月16日までやってる

こういう光景が遠くから見えるだけでワクワクドキドキしてくる
テントの破れ目とか下に隙間でもあればもぐりこめそうだけど
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