由比ガ浜の坂ノ下のところから国道134号に出て相模湾沿いを小動岬まで走り、右折して江ノ電腰越駅を通り越したところの交差点を再び右折しようとしたところで前から鎌倉行きの4両編成の電車が走ってきた。
この区間は一般道と電車の線路の区別のないところで、人も車も電車も同じ道路を行き来するのである。
したがって、車で右折しようとしているボクは当然のことながら直進してくる電車が通り越した後に安全を見計らって右折に取り掛かるのが正しい走り方なのだ。
この行為は何も電車に限らず、対向してくる車があれば待つというのが道交法の定めである。
ただ電車の場合はさらに優先通行権があるので、どんな場合でもどうぞどうぞ先にお通り下さいというのが地元のドライバーのフツーの態度であり、共通認識なのだ。
江ノ電と同じ道路を走る場合に注意しなければいけないのは、右折時やすれ違いの場合は特にだが、電車の通る幅を確保しながら端によって待たなければいけないということである。
電車というのは案外幅広なのだ。
だから普通の道路で右折する場合には中央線に寄って対向車が通り過ぎるまで待つが、電車を待つ場合はほとんど道路の左端に寄って待たなければいけない。
他所の町から遊びに来た車が一時停車して待つのはいいのだが、電車の幅に注意が向かず近寄り過ぎて電車が通り抜けられずに立ち往生してしまうことが時々起きるのは、この辺の配慮が時たまやって来るドライバーには欠けているためである。
前置きが長くなったが、こうして道路左端によって電車の通過を待っていると、交差点の手前で電車がスピードを落として軽く警笛を鳴らし、運転士が手を横に振るのが見えた。
? と思ったが、そのまま動かないでいると再び警笛が軽く鳴り、運転士のはめている白い手袋がまた横に揺れたのだ。
「先に右折してくれ」という合図を送ってきていたのだ。
そういうことか! と納得して、こちらも軽く警笛を鳴らし返して手を挙げ、急いで電車の鼻先を右に折れたが、電車の直前を横切るというのは正直言ってあまり気持ちの良いものではない。
第一、電車というのは近くによると大きいのだ。路面電車と違って車高も高いから他を圧していると言っても過言ではない。
視線の高さに見えるのは車輪やら床下の機械類である。
ボクも江ノ電との付き合いはずいぶんと長くなってきているが、どういう風の吹き回しか知らないが、こういう具合に電車に道を譲られるという経験は初めてである。
かくして全国には何千万人というドライバーがいるのだろうが、白昼、天下の往来で電車に道を譲られたドライバーはどれくらいいるだろうか。
♪ 猫踏んじゃった風の節回しで口ずさむとすると今回のレアケースは ♪ 道譲られちゃった 道ち譲られちゃった 江ノ電に譲られちゃった ♪ ってところだろう。
今年はきっと良いことがありそうだ。
稲村ケ崎に押し寄せる波浪。この押し寄せる波の音が夜中から早朝にかけてゴォ~ッと鳴り響いていた
爆弾低気圧のせいだそうで相模湾にも強い風が吹き付け、普段の静かな海とは全く違った顔を見せていた
小動岬の上に富士山が見えているのだが、波しぶきが空中に舞って視界を悪くしている。海沿いの道を走ればフロイントガラスには塩がこびりつき視界を遮る
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