同じ時期に退職した後、野菜作りに目覚めた友人に刺激されてボクもホンの真似事をしている。
これまでは花咲じじい気取りで花を育てることの方に興味があって、特にバラにはそこそこ気を使ってきたから野菜は見向きもしなかった。
そのそも庭にはバラなどの‶先住民〟が暮らしているから、もとより植えるスペースなどない。
仕方なく2階のベランダにプランターを並べて細々と育てているだけなのだ。
でもこれが意外と役に立って、1日おきのパン食の朝食のサラダはこれで賄えるし、時にはなべ物の野菜に重宝している。
育てているのは今の時期ならコマツナ、ホウレンソウ、シュンギクで、これはタネを買ってきて蒔いて育てているので、食べ尽くしても、またタネを蒔けばすぐに育つ。
いくつかのプランターを使って種蒔き時期をズラしておけば端境期なしで口にできるという寸法である。
今年は夏場に初挑戦のキュウリとナスの苗を買ってきて育ててみたが、キュウリはたった1本、ナスは2本の苗を植えただけだったのに、両方ともホントに良く生ってくれてこんなに実るものなのかと正直言って驚いた。
特にナスは夏の終わりに秋ナスを収穫するためせん定を施したところ、未だに花を咲かせ、実も枝に鈴なり状態で、これにはホントにびっくりさせられている。
余りの収穫量の多さにボク一人ではとても食べきれず「嫁にも食べさせている」くらいである。
順風満帆のようだが、目下の悩みはコマツナが蝶か蛾の幼虫の食害に遭っていること。
体調2cmにも満たない細くて黒っぽい幼虫で、こいつに成長過程の柔らかな葉っぱを片っ端から食い荒らされている。
殺虫剤の類を使うのはためらわれるので割りばしを手にもっぱら捕殺作戦を展開中だが、どこから湧いてくるのか捕殺するそばからまた新しい幼虫が湧いてくるようでキリがない。
幸い被害はコマツナだけで、ホウレンソウもシュンギクも無事なのがせめてもの救いである。
不思議なもので、野菜と言うのはホウレンソウを筆頭に独特の匂いと味がする不味いものだと思っていたが、若いホウレンソウの葉の甘いこと甘いこと ♪
八百屋やスーパーで売られているホウレンソウは見た目の良さとボリュームを増やして少しでも高く売ろという魂胆から、あの不味さの原因であるシュウ酸がたっぷり貯まるまで待って出荷しているようなもので美味しくないし、子どもは嫌いになるに決まっている。
若葉の甘い葉っぱなら子供だってムシャムシャ食べるはず。
不味いホウレンソウを何とか食べてもらえるようにと、わざわざポパイを登場させる必要も無いのだ。
若くて柔らかなシュンギクにもシュウ酸はないから、豚しゃぶの時に一緒に湯にくぐらせる野菜としてはシャキシャキの歯ごたえはもちろん、若緑色の美しさも手伝って食欲が増すこと請け合いである ♪
シュンギクもだいぶ大きくなってきたし、そろそろ豚しゃぶの鍋開きと行きたいものだ ♪