見出し画像

平方録

‶揺れる駅弁〟が食べたい !

出掛けていた山の神の帰宅が遅くなるということで、夕飯はエキナカあたりで調達してくるものになることは事前に知らされていた。

で、実際に目の前に出てきたのがシウマイ弁当でおなじみの崎陽軒の「かながわ味紀行」という駅弁。

県内の美味いものを少しずつ…と言う触れ込みだが、シウマイが3個入っていたから、まぁ良しとした。

駅弁を前にしては‶お作法〟と言うものがあって、忘れてはならないのがカップ酒である。
本来なら列車の揺れに身を任せつつ、車窓を流れゆく風景を楽しみながら弁当のおかずを肴にカップ酒をちびりちびなめるのが小笠原流というか日本列島流というか、それが伝統的かつ正しい日本人のたしなみ方(?)なのである。
しかし家では都合よくカップ酒なんてものは用意していない。
酒やワインなどを放り込んでいるパントリーを覗くと、いただき物の封を開けていない大吟醸と秋田の酒蔵の四合瓶が目に留まり、四合瓶を引っ張り出す。
 
とまぁ準備万端、ここまではつつがなくお作法どおりの食事を進めたのだが、唯一の誤算は列車の揺れがないこと。
そして目の前に流れるのは紙芝居のようなテレビの映像だけという味気なさである。
特に致命的なのは「揺れ」で、あのレールと車輪が醸し出す規則的な音と振動こそ駅弁の隠し味であって、その2つのない駅弁は調味料が入っていない御馳走と何ら変わらない。
とは言え、味気なさを少しでも補おうと相棒に選んだ秋田の酒は妙に美味しく感じられ、黒船到来じゃあるまいし、「太平の眠りを覚ます上喜撰たった四杯で夜も眠れず」…じゃなかった、たった四杯ですっかりゴキゲンになっちまったのでございます。
おちょこで四杯じゃなくてコップで四杯でございますです、ハイ、杯。
 
普段はワインか焼酎をたしなんでいて、日本酒にはほとんど手を出さない。
まぁ、ハレの日用とでも言いましょうか、何か特別なシチュエーションの時以外は口にしないのでございますよ。
お陰で酔っ払っちまいました。
で、9時にはよれよれになってベッドに直行。白河夜船で「黒船でも大砲でももってこい! コロ公は近寄るな!」の気分でございました ♪
それにしても弱くなったものでございまする。これぞコロ公の後遺症でございましょうね。
 
あ~あ、駅弁と日本酒を手にそろそろ本物の列車に揺られたくなってきた。
7月中にファイザー製ワクチンの2度目の接種を済ませているし、感染者数もめっきり少なくなっている今こそが鬼の居ぬ間の何とやらかもしれないし…
 
 

見出し写真ともども、片瀬漁港の白灯台側から見る赤灯台
 
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「随筆」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事