104日ぶりに散髪してきた。
襟足や耳の辺りなどに髪がかかり出して、それが気になりだしたら最後、もう居ても立ってもいられなくなるくらいに気になって気になって…
それでもしばらく我慢していたのは、やはりコロナのせいで、自分の顔のすぐそばに他人の顔が接近するなんてことを考えたら、ボクは正直言って躊躇したくなる。
散髪中は邪魔になるという理由でマスクを外してくださいと言われるし、いくら相手がマスクをしていたって、もし万が一感染者だったら…と思うと恐ろしい。
お前はなんと臆病な奴だ、と笑わば笑え。
しかし、ボクは自慢じゃないけど基礎疾患を持っていて感染にはことのほか注意しなければいけない身だと自覚しているのだ。
特に3、4年前にちょっと不具合があって検査を受けた際、肺の機能検査というものもやらされ、その結果が何と「90歳代の機能しかない」と指摘されたのだ。
当時はまだ60代最後のころで、それが90歳代の肺の能力しかないと言われて、いささかショックだったことを覚えている。
とは言え、結果を見た医者も「まじめに検査を受けませんでしたね」と笑って済ませたし、実際手抜きで受けた検査だったのであまり深刻には受けろめなかったのも事実なのだ。
しかし指摘されてみると坂道を登る時に息が切れたり、自分でも「あれっ!」と思うようなことがあって、以来、あの検査結果は当たらずとも遠からずだったなと、わが身に忍び寄るローカ現象を自戒するよすがの一つとしている所なのである。
そんなわけだから散髪過程のシチュエーションはボクにとって心配そのものと言えるのだ。
肺を中心に増殖してヒトの体を犯すコロナの特性を思えば、肺機能の弱体化は致命的なのである。
もう少し生き延びたいのであれば、ことさら用心深くしなければならぬ。
という訳で、世の中は〝Go to トラブル〟だイベントの人数制限緩和だとどんどんタガを緩めているように感じるが、ボクは完全にそれらとは一線を画して同調しないようにしている。
そのデンで行くと散髪も考え物なのだが、まぁ散髪屋が温床となったクラスターというのも聞いたことがないし、理髪組合もそれなりに感染予防対策に関する啓もう活動に取り組んでいるだろうからと、大袈裟に言えば清水の舞台から飛び降りる覚悟で散髪してきたという訳である。
店が広くてしかも客が少ない時間帯を選び、さらに短時間で終えて出てこられるように洗髪も髭剃りも無しのカットだけを頼み、ものの10数分で終えて店を出たのだった。
電光石火というか、カラスの行水風というか…
赤提灯が灯り縄のれんの間から漏れてくる鶏肉の脂が焼ける時に出るあの煙と匂い…
脂じみて黒光りする木のカウンターの片隅に座って程よく焼けた肉片をかじりながら日本酒や焼酎をグビリとやりたい。
鉄道に揺られてどこかに出かけたい。もちろんカップ酒と駅弁を携えて…
そんなことが気軽にできる日常が戻るのはいつのことだろう。
見出し写真も含めて昨日午後3時過ぎ、江ノ島の灯台の背後に薄いながらも虹が現れた
この時刻ごろ、台風12号は千葉県銚子市沖260kmの南南東付近で停滞していたにもかかわらず、不思議なことにこの界隈の海面には波ひとつ立っていなかった
この海の沖はすぐに太平洋なのだが…強かったのは風だけ
iphoneを構える腕が強風にあおられて写真を撮るのに往生した