東海道線の藤沢駅から普通電車で1時間足らずで終点の熱海に着く。
昼下がりの時間帯でも土日祝祭日の東海道線の電車は上り下りともそこそこに混んでいるものだが…
大型連休というのはそれに輪をかけて混み合うものだというのがボクらの経験則と言うものだが、その御多分に漏れず、15両編成の長い列車が1本到着するだけで駅構内はごった返し、トイレの前には長蛇の列が出来ていた。
タクシーの運転手に聞くと「駅も街中も人や車でごった返していますよ。花火大会もありますから」と喜んでいるのか、それともうんざりしているのか、ちょっと判別しにくい口調で言う。
ボクらもそのごった返す人波のひとりに加わったのだった。
小学4年生になった孫息子の父親が、この大型連休中、1日も仕事を休めず、母親がせめて近場でも連れて行ってあげたいとアタミ行を企画し、若が温泉に入る付き添いをしろというので、まぁ、祖父としてそれくらいはしてやるかという気になった。
泊るところは高度経済成長下、かつて不夜城として栄えた"東京の奥座敷・アタミ"の中でもその象徴的存在の一つとしてテレビのコマーシャルで連日流れ、その名を馳せたホテルである。
まさかそういうところの客に、自分自身がなるとは夢にも思わなかったが、長く生きていると思わぬことが起こるものである。
山の神に聞くと「今、昭和レトロがモテモテで、昭和の香りがむんむんしているところは若い人に大人気だそうよ」「テレビでよくやってるわよ」という。
戦後間もなくして生まれた泣く子も黙る団塊世代だが、我々自身がもてはやされることは無くとも、我々世代かその少し前の世代が生みだし、育んで来たものが現代の若者に受けているというのは「へぇ~、そんなものですかい」と、いささか首をすくめつつ、面映ゆさも感じないわけにはいかない。
小田原を過ぎて早川を出る辺りから海が近くににじり寄って来る
根府川はホームのすぐ脇の崖下に波打ち際が迫る
熱海駅の改札を出た所 若い人の姿ばかりが目に付く そしてアジア系外国人…
熱海湾を半周して、熱海の市街地を正面に見据える位置に建つホテルに到着
宿泊した部屋からは、かつて"自殺の名所"として知られた錦ヶ浦が広がる
昭和レトロの典型として若者の間で大人気だという劇場のような食事会場
大きな窓の外は錦ヶ浦の断崖絶壁や洞窟が迫る
このダイニングに迫る崖には波の浸食で出来た巨大な洞窟があるくらいだから、ガラス窓を壊すくらい朝飯前だろう
柱とアーチの連なり、そして垂れ下げられた大袈裟なカーテン…そして、カーテンのシワ
そして夜8時… 対岸の熱海の"百万ドルの夜景"が輝きを増すころ…
ホテルのテラスや室内のホールには打ち上げを今や遅しと待ちわびる宿泊客の姿が…
上がった! 1発目!
一気に連発が始まる
それ行けっ!
ふむ
おお
わずか20分間だったけど、そこそこに楽しめました♪