暑さ寒さも彼岸までの言い伝えどおり、彼岸を過ぎたら急に涼しいを通り越してボクには寒いくらいの天気が続いたものだから、寒冷アレルギーの鼻はティッシュでこすれて赤くなり、鼻の両脇の皮膚はガサガサになってしまっている。
おまけにこのところ3日間は冷たい雨に降りこめられて家からも出られず、散々な思いをさせられていた。
そんな中、昨日は午後になってようやく薄日が差してきて、しばらくするとどんどん青空が広がっていった。
青い空が広がって太陽が出てくるとてきめんに気温は上昇する。
気温はともかく、太陽の光さえ浴びればそれをエネルギーにして動くようにできているボクの体はすぐに反応する。
むずむずしてくるのだ。
それで妻を誘って夏の間はほとんど近寄らなかった近所の池のある森の公園を散歩してきた。
雨上がりの森は他の場所と明らかに違って、充満している空気そのものの匂いや多分オゾンがたくさん含まれているからだろうと思われる空気が濃いような新鮮そのもののような、とにかく「んっ ? 何か特別だね !」と感じさせてくれている。
やはり太陽の光に反応しているのだろう、最近はトンと聞かれなくなっていたツクツクボウシまで鳴き出して、森にこだましている。
ここには急な階段があって、ボクのオトロエかけた肺の機能を確かめるには格好な場所なのだが、昨日は一度も立ち止まって休むことも無く、息も大して切らさずに上がり切ることができたのにはびっくりした。
夏の間中、自転車を漕いで心肺機能に喝を入れ続けた成果かもしれない。
ともかく、思わぬところで身体のそういう良い変化を感じ取ることができて何だか浮き浮きしてしまった。
この不思議さはひょっとすると肺に取り込む酸素の質も普段と違って極めて良質なものに変わっていたからなのかもしれない。
そんな風に「へぇ~ !」「ほぉ~」という感嘆符の出番というものは、意表をついて現れるものなのだ。
しかも、どういう風の吹き回しか、驚きというものは連続する傾向を示すことがあるものなのだ。
階段を「軽く上がり切って」ルンルンでいるわがマナコにすぐに飛び込んできたのが階段の上のソメイヨシノの枝先である。
なんと2輪だけだが花が咲いている !? (見出し写真)
どうやらいきなり気温が下がり、それがしばらく続いたものだから冬が過ぎて春が来たのだと勘違いしたんだと思う。
周囲を見るともっと驚いたことに、階段の途中付近に植えられているソメイヨシノに至っては木全体に花が咲いている !
断じて秋に咲くジュウガツザクラなどではなくて、春先に花を咲かせるれっきとしたソメイヨシノなのに…
ほら見ろ、植物だってこんな気象が続けば惑わされたり調子を狂わされたりして、普段とは全く違う動きをさせられてしまうのだ。
山形の友人は夏から秋への日照不足雨不足のせいで定植したキャベツやレタスの苗がダメになり3度も植え替えたが、それでもダメで今年の収穫はあきらめたとぼやいていた。
地球の温暖化による気象変化が現実のものとなって地球上を覆いだしたことの何よりの証拠だろうと思う。
つくづく馬鹿だよなぁ、人類は。…最近真剣にそう思う。
こちらのソメイヨシノ…三分咲きってところかな
ツリフネソウの群落が広がっていた
去年はこんな斜面には咲いてなかったけど…
梅雨明け前にはハンゲショウが埋め尽くしていたところにもツリフネソウが進出している
去年までは見られなかった場所で、目をみはるばかりの群落の出現には本当に驚いている
鎌倉随一の規模かもしれない