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平方録

不法侵入だぞっ!

「おいっ、黙ってりゃいい気になってずかずかと… 気が付かないでいるとでも思っていたのか? 冗談じゃないぞ、人の家に上がり込むならきちんと挨拶ぐらいしたらどうなんだっ!」

暦の上の立秋が過ぎ、夏至のころにはずいぶん北に寄っていた日の出の位置が、「あれっ?!」と驚くほど南に戻りつつあり、「めっきり」とまでは形容できないまでも、ここ2日間は「おやっ…」と思わせるほど、しのぎやすさが戻っている。

実際、冷房のない部屋の気温は30℃に届いていないし、海辺のアメダスは27.8℃(05:00)にまで下がっている。

日中にいくら猛暑が続いても、やはり、朝晩はその暑さにもやっと陰りが見え始めてきた…ということだろうか。
そういう季節を巡るナマの皮膚感覚とは別に、目で感じる季節変化というものがあって、それが冒頭のセリフにつながっている。
冬の間、家の奥まで入り込んでいた太陽の光が、立夏の前あたりから急に腰を引き始め、しばらく遠ざかって近寄りもしなかったくせに、立秋を過ぎた今、再び家に上がり込むようになってきたのである。
最初はほとんど気が付かないくらい遠慮気味だったのが、まだ2週間ほどしかたっていないというのに、"ズカズカ感"いっぱいの態度で簡単に敷居をまたいで入り込んでいる。
泥棒じゃあるまいし、上がり込むなら挨拶の一言もあってしかるべきだろうと思うが、礼儀知らずというか…
どういう風にしつけをされて育ってきたのか、親の顔が見たいものである。
 
 
敷居をまたぎ、ずかずかと部屋の中に入り込んだ日の光
 
朝ご飯を手べ終えると、この椅子に座って新聞に目を通し、読みたい本があればここで読書する
椅子はアウトドア用のキャンバス張りの折りたたみ式で、座面が低くて地面の近くで安定できる点が気に入っている
長時間座っていても疲れないのがまたイイ
この場所は画面左手がベランダで、カツラの木が枝葉を広げて緑陰をもたらし、さらにゴーヤをネットに絡めて緑のカーテン仕立てにしているので本来はとても涼しい
部屋との間には折り畳み式の網戸があるが、網戸なしで開け放し、外の空気と一体になって過ごす方が断然気持ちイイ
ただし、今年の暑さはやはり尋常ではなく、テラコッタのようなベランダの敷物がモロに太陽熱を照り返してくる
まるで火をたいた暖炉の前で椅子に座るようなもので、今年ばかりはたまらずに、この場から逃げ出すことが2度3度あった
画面右端の缶は蚊取り線香で、場合によってはこれを焚くが、2階にまで蚊が飛んでくることはまれなので、ほとんど使わない
それでも缶に備え付けの味気ない道具で焚くより、口を大きく開けたブタの置物のような"ニッポンの夏"を彷彿させるような小道具を手に入れたいと考えている
以前持っていたのだが割れてしまった
どこかで縁日でもやっていないかな
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