自転車のパトロールに出るとき、あまり強い風は抵抗が大きすぎて適さないうえに不愉快なので敬遠するのだが、3~4m程度までなら特に夏場は体を冷やしてくれることにも役立って、有用と言っていい風に変身する。
昨日はやや曇が多めの空模様で、しかもこういう風が吹いていたため、せめて午前中だけでもパトロールしてこようという気になった。
blogネタになる写真も枯渇気味だし、海辺の景色そのものはいつもと変わらないにしても、空の色、海の色、雲の広がり、波の出具合、背後にそびえる富士山や箱根連山などの山々などなど、海辺というのは変化がないようでいて、その表情は千変万化なのを知っているので新聞に目を通す前に家を出た。
太平洋岸自転車道の一角を占める湘南海岸自転車道を走る場合、片瀬西浜に出るのがいつものパターンだが、たまにはと思って鎌倉側の片瀬東浜に降りてみる
東浜は西浜と並んで"東洋のマイアミビーチ"と呼ばれ、80年代まで海水浴シーズンの最盛期の日曜日など、砂浜が見えないくらいに人が押し寄せ、新聞各紙の朝刊1面にその混雑ぶりを伝える空撮影写真が掲載される程の賑わいを呈したものだった
そして南側の江ノ島、東側の小動岬に挟まれた湾は双方が防波堤の役目をしてくれるので波静かな海水浴場として人気も高かった
この広い砂浜が作り出す光景を指してマスコミは"立錐の余地もないくらい"という常套的な形容詞を使って報道したものだった
浜辺のすぐ脇を国道134号線が走り、季節を通じて湘南・鎌倉観光に訪れる車を含め、年がら年中渋滞している
東浜の海の家は西浜に比べて個性的である
午前10時前、砂浜の一角に小さな子供たちと付き添いのお母さんたちの人だかりができていた
毎年出現する海賊船をモチーフにした"冒険ランド"風の施設が開くのを待ちかねているのだ
この日西浜一帯は波が高く「遊泳注意」になっていたが、江ノ島などが防波堤の役目をしてくれる東浜はそれには無関係
時々やって来るちょうどよいうねりが若者たちの格好の遊び道具になっていて、歓声が上がっていた
奥に見えているのは2つの東京五輪の会場として使われた江ノ島のヨットハーバー
東浜と西浜を隔てる境川が海に注ぎ込むところ 川の向こうの片瀬漁港の先に西浜が広がっている
弁天橋の上から下を覗くと何やら「ウユニ塩湖」をやっている若者が…
手前の女性が一眼レフを持ち、向こうの3人がポーズを作っている
南米ボリビアにあるウユニ塩湖では雨が降ると薄い水の膜を張ったような場所が現れ、まるで鏡を張ったようになり、空と水面が織りなす天地逆さの絶景が出現する場所として名高い
片瀬西浜
「遊泳注意」が出ているせいか、監視塔には水難救助のレスキューが2人昇って目を凝らしていた
正面に見える大きな入道雲の奥に富士山が隠れている
一軒一軒デザインの違う東浜の海の家と違ってこちらは団地式で、浅草の仲見世風の画一型
せめて相模川河口までパトロールするつもりだったが、途中で遭遇した除砂作業が砂塵を巻き上げていたのでUターンしてきた
そのまま突っ込んでいたら汗だらけの体が砂まみれになってしまう
ということで昼には家に戻ったので距離的には不完全燃焼