そんなこと何時決めたんだ?
税金を大量につぎ込むんだから議会は通したんだろうな?
それにしたって、きちんと手続きを踏んで決まったことなら何で決まった段階で市民に知らせないんだ?
まさか市民の元に届ける寸前に決めたんで知らせる時間がなかったなんて言わせないぞ!
そもそも国がやって物議をかもしているる‶ゴートーなんちゃら〟政策の真似なんかすること自体が馬鹿げているのに、議会はよくこんなもの承認したものだ。
ボクはこんなことに金を使うために税金を納めてんじゃないぞ!
鎌倉市が12月1日になって全市民を対象に「縁むすびカード」なるものを、市民全員に配り始めた。
これはまさに、突如降ってわいたように届いたもので、2人暮らしのわが家では世帯主のボクの名前で山の神の分と2枚が封筒に入って届いたのだ。
封筒の宛名を表示する窓のすぐ下に目立つように「縁むすびカード」と朱書きまでしてある。
?????
差出人は鎌倉市役所商工課とある。
商工課が縁結び ????? 益々持って判じ物である。
「重要」という朱の文字も見える。
なんのこっちゃと開封してみるとセンスのないデザインで縁むすびカードとデザインされたプラスチックのカードが2人分出てきた。
後は「ご利用案内」というA4判ぺら1枚の紙が折りたたまれて同封されていただけ。
「ご利用案内」には「縁むすびカード」の修飾語として「鎌倉応援買い物飲食電子商品券」と添えられている。
察するに送り付けられてきたカードは買い物と飲食に使える5000円の商品券らしい。
利用期間は12月15日から来年3月15日まで。
このカードの「取扱店」に行って買い物や飲食の後に代金を支払う際、このカードを示せばここから相当分が支払われるということらしい。
じゃ肝心の取扱店ってのはどこなのさ、どこで使えるのさ…と首をひねってチラシを見ると「12月15日発行の広報かまくらに掲載します」という。
何だよ泥縄じゃないの。
市のホームページにも掲載されているというのでパソコンで調べてみると、行きつけの焼鳥屋は載っていないし由比ガ浜通の老舗うなぎ屋だって名前が出ていないじゃないか。
まっ、泥縄だからこんなことになるんであって、使える店が少ないのは致命的、使う立場にすればこんな使いにくいカードはありゃしない。
鎌倉市の人口は約17万3000人。
173000×5000=865000000。
つまり8億6500万円もの巨費が投じられるわけだ。
そしてボクが噴飯ものだと怒る最大の理由は同封チラシのどこにも「なぜこの施策を実現させたか、なぜ一人当たり5000円か、この原資はどうやってねん出したのか、どういう意思決定過程を経て決まったのか」等々について、何の説明もないことだ。
封建領主さまの気まぐれの思いつきじゃあるまいし、市民は一方的な施しを受けてありがたがる乞食じゃないぞ!
きちんと理由を説明してもらいたい。それも明確に、わかりやすく!
コロナ禍で収入が減って困っている人はたくさんいるだろう。
よしんば税金を投入してその窮状を救おうというのなら、その使い道は吟味し尽くしてしかるべきだ。
ひとり親世帯の子どもや親がどれほど困窮しているか…
飲んだり食ったり物見遊山に出かけたりに税金を投入して恥じることのない国のやり方に右へ倣えするからアホな施策を押し付けられる。
基礎自治体がやる施策くらいもっと細かく目配り気配りしたものをピンポイントでやるくらいじゃなくちゃ。
それにしても、マスコミの諸君も何をやっているのかね?
どうしてこんな大事なことを報道しないんだ? ボクが見落としてる? じゃ、周囲で知ってる人がいないのは何故なんだ?
鎌倉市役所には一番いい所に広々とした立派な記者クラブがあるじゃないか。
例え座りっぱなしで鼻くそをほじくっていたって、なにがしかは聞こえてきているだろうに…
誰も何も聞いてなかった、気付かなかったとしたら、それもまた大問題だぜ。
そうそう、この封書をポストから取り出して来た山の神は普段とはいささか違った尖りを含んだ声音でボクにこう言ったものだ。
「ナニ? この『縁むすびカード』って! 今すぐにこの場で開封して見せてよ!」
幸いにしてボクはすぐに山の神の心中を察することができた。
即ち「ワタシというものがいながら、あなたはなぜ他の女性と縁を結ぼうとしているのよ」。
鎌倉市内約7万6000世帯の中でかような如きさざ波が立った家庭も少なからずあったと思うね。
「縁むすびカード」なんて、そもそもネーミングからしてセンスが悪すぎる。
それにつけても、わが町の代官と評定衆、代官所の小役人どもの救いようのない現実がここにあぶり出されたってわけだ。
情けないったらありゃしない。
鎌倉市のホームページ 「『縁(えん)むすびカード』の発想が始まりました」と書かれていて、ボクは「そうか、この施策のそもそも寄って来たる理由から説明してくれるんだな」と思ったら「発想」は「発送」の誤植だと分かった
そもそもの「発想」を説明しておくれ、お代官様!