平方録

首筋でウグイスが鳴いた!

いつも通りの午前4時。
パソコンの前に座り、そうだガラス窓は開け放とう! と床から天井までの丈がある折り戸式のガラス窓を全開にする。
オゾンがたっぷり含まれた空気がおいしい。風はなく、新緑から濃さを増しつつある木々の葉はそよとも動かない。
東の空は既に白んでいて、薄いオレンジ色やピンク色が含まれているのがかすかに見て取れる。
昨日までと違って気温は高めである。

光が差しかけてきて、朝の到来を喜んでいるのだろう。たくさんの種類の鳥の鳴き声がうるさいくらいだ。
しかし、卯の花も満開になって早いものはもう散りかけているというのに、未だにホトトギスの鳴き声が聞こえてこない。
あの鳥が鳴かないと「夏は来ず」なのだ。
たった1文字の違いとはいえ、その差は天と地の差がある。
ボクは夏の到来を待ちわびているし、1日でも長く夏が続くよう望んでいるのだ。

去年の12月から咲き続けてくれているパンジーがだいぶくたびれてきたので、疲れて小さな花しか付けなくなってしまった株を抜いたり、伸び放題にしていたモッコウバラの花が終わったので、せん定をしていた時のことである。
背後で何か動く気配を感じたなと思うや否や、首筋の辺りから聞こえてくるかと思わせるほどの近さで「ホォ~ホケキョォ~!」と鳴き声がした。

こういう時ボクは固まってしまう。もちろん意識して固まるのである。
すぐに振り向いたりしすれば驚くに違いない。サッと飛び去ってしまうだろう。
せっかくの来訪である。しばしくつろいでもらい、何なら巣作りしてくれてもかまわないのだ。そう思ってのことである。
不自由な姿勢であっても、しばらくはまんじりとも動かず、息さえ殺すように静かに呼吸をしながら、周囲の植物と一緒ですよ、心配はいりませんからね、という態度を示すのである。

そのせいもあってか、ウグイスはわが庭のカツラの木からキンモクセイの葉の茂みへと移動する間に3度鳴いて音もたてずに飛び去った。
もっとも、飛び去ったところは見ていない。気が付いたら気配が消えていたのだ。
正直言ってホッとする。
もう固まっていなくても済むし、息もはばかることなく吸いたり吐いたりできるのだ。
またの来訪をお持ちしていますよ。

それにしても子育ては終わったのだろうか。
ウグイスの巣にはホトトギスが卵を産み付けて、後は知らんぷりで子育てをウグイスに任せっきりにするのだ。
ウグイスは今年もまたホトトギスの卵を抱いたはずである
ホトトギスは随分とチャッカリしたものだが、子育てがないのだから大きな声で鳴いたらどうだ! と言いたい。
ったく、怠け者め!









わが家の「流鏑馬」。自分で接ぎ木をした育てた株で、花の直径は13センチ。背が高く伸びてしまい、2本しか生えてこない枝先に1輪ずつしか花をつけないので毎年2輪しか咲かない。
流鏑馬で放たれる矢は3本あると思うのだが、せめて3輪咲いてくれてもよさそうである。今のところバラ界のニリンソウといった趣なのだ


4:55AM 陽が顔をのぞかせた
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