大都会よりは涼しい海辺の町でも25℃の夏日になるというので、「♪♪♪…」と、肌の露出する顔や手足に日焼け止めクリームを塗り、ルーティンの新聞に目を通すこともしないでパトロールに出たのだった。
ただちょっと肌寒さを感じたので、半袖のTシャツを長袖のTシャツに変えはしたが、そのほかには変更はなく、勢いよく坂道を下って行った。
わが家からは富士山は見えないが、しばらく走ると富士山がきれいに見えてきた。
しかし、富士山の左手、つまり富士山の南側に水平線の彼方まで続く薄い雲が広がっていて、これがどうやら南寄りの風に乗って富士山方面に押し寄せている雰囲気である。
ん!? 曇っちまうんじゃないだろうな…いやだよそんなの、夏日を楽しもうと出てきたんだから…
夏大好きニンゲンを自認するボクとしては、炎帝の家来に「今夏もよろしうお願い申しやす」と仁義を切っておかねばならない。
夏らしい良い夏を期待してのことである。
本来は炎帝に直接お目にかかって直々にご挨拶しなければならないところだが、御出陣はまだ先だろうから、とりあえず先陣を切る御家来衆に仁義を切っておきたい。
海辺に着いた時、まだ太陽は出ていたのだが…
いつもの湘南海岸・片瀬西浜
少し霞んではいるが、もう黄砂は去った
浜辺に着いてから大して時間は経っていなかったが、南にあった薄い雲の集団が次第に北上してきて富士山を覆い隠そうとするところまで広がった
上空にはこんな雲が…
それでも自転車道の様子を確かめに行くと、感心なことに自転車道を覆っていた大量の海砂はきれいに取り除かれている
「こいつは感心、感心♪」と走り始めるが、1kmも行かないうちに「ただ今真剣に除砂作業中」とばかりにブルドーザー、パワーシャベル、キャタピラー付きダンプが繰り出してエンジン音を轟かせている真っ最中
その先を見渡せば富士山へと延びる自転車道は堆砂の下に埋もれた状態
右端に映っている自転車を押してやって来た若いカップルに聞いてみると「この先しばらくこんな感じです」とウンザリした様子で教えてくれた
空を見上げれば押し寄せてきている雲の集団の先触れが届き始めている
秋じゃあるまいし、うろこ雲かよ…と悲しくなる
もうすでに富士山は雲の集団に飲み込まれてしまった 自転車道は走れない…
これでは炎帝の御家来衆への仁義も切れず、残念ながらまたの機会と言うことで、海辺はあきらめた
しかし、ボクは太陽が顔を出していないと機嫌が悪い…と言うか、気分がすぐれない
大好きな夏のイメージはギラギラの太陽と真っ青な空、そして適度な量の真っ白な雲…なのだから
…と言うことで、出直しである こんなこともある 第一まだ4月だものな