今まで目にした鯉のぼりのうち、最も印象深く記憶に残っているのは四国の四万十川をカヌーで下った時、中流の口屋内の沈下橋から見た鯉のぼりだった。
今から30年ほど前のことになる。
折り畳みカヌーを背負って予土線の江川崎で列車を降り、たった一人で四万十川を下ったことがあり、そのことを求められて社内報に書いたら何人かから「連れてってくれ」とせがまれ、5月の連休を利用して引率教師役をしたことがあった。
その時、河原に張ったテントに寝泊まりし、沈下橋から偵察方々川を眺めようと行ってみると、川に目をやった途端、数匹の鯉のぼりが清流に身をくねらせながら文字通り「泳いで」いるのを目の当たりにして「…!」と思わぬ展開にびっくりさせられたことがあった。
鯉が川の水の中を泳ぐのは極めて自然なことなのに…
しかし、空中を泳ぐものだとばかり思いこんでいる鯉のぼりが、本物のサカナのように川の中を泳いでいる姿は、やはり「新鮮なオドロキ」以外の何物でもなかった。
オドロキの正体はそのリアリティーの強さ、濃さにあったんじゃないかと思う。
考えたこともなかったし…
そもそも、あんな大きな鯉は日本国中どこを探してもいやしないだろう。
それが大きな口を開け、上流に向かって身をくねらすさまは想像を絶するものがあった。お見事♪と感心もさせられた。
発想をちょっと変えてみて、常識からもちょっと一歩はみ出てみる…と言うのは大切なことだね♪
わが家から歩いて30分ほどのところに「鎌倉中央公園」という色気のない役所的な名前の公園がある。
そこには池の上の空中を鯉のぼりが泳いでいるんだという。
山の神に誘われて1万2000歩近く歩いてきた。
緑を残すことが主眼のような公園で、したたるような新緑はたっぷりあるが、ただそれだけ。
当然、観光客は来ないところで、地元の家族連れがお弁当を広げているだけだから、静かなのが何よりよろしい。
風の音や鳥の鳴き声を聞き、緑の香りをたっぷりと嗅ぐことができる場所の一つである♪
谷戸の池の上を渡る風に泳ぐ鯉のぼり
強めの風が吹いていたお陰で、メザシのようにダラ~ンとしないで真面目に泳いでいた
名煮たいくらいの新緑
今朝は8mを越す南寄りの風が吹いていて、満開のブラッシングアイスバーグが揺さぶられ、痛々しくて見るに忍びない
明日は雨になるというし…
いっそ切り花にしてしまうか…
今日は何とか晴天が続くようだが、風は吹き続けるようだ (わが家から見た04:34の東の空)