平方録

うんこまみれになってゲラゲラ笑っているのだ

うんこ漢字ドリルというのが小学生の間でとても人気なんだという。

2、3か月前のことだが、電車に乗っていて、ショッキングピンクの車内広告がやけに目立つのに気付いた。
色で目を引き付けるだけでなく「うんこ漢字」という文字が黒色で大きく印刷されていて、それを離れたところから見ていたので、他の細かな字まで読めずにいたものだから、何のことか全く理解できなかったのだ。
それがしばらく経った頃、新聞だったか何だったか忘れたが、うんこを説明文に使った漢字ドリルというものが登場して、それが小学生に大人気だという記事が載っていたのを読んで、あぁ、あれのことかとようやく理解できたという訳である。
 
学年ごとに分かれたドリルで、それぞれの学年で習う漢字が網羅されているのだが、例えば小3で習う安全の「安」の字の説明では「指先にうんこを乗せて『あん』定させる」という記述があり『』のあんというひらがなを「安」と書かせるようになっていて、時折それに簡単なイラストが添えられているんである。
いずれも突拍子もない説明文が添えられているのがミソで、ゲラゲラ笑いながら漢字を覚えていくという仕掛けなんだそうな。
全編、漏れずにうんこだらけ、うんこまみれなんである。

案の定、持って行った翌日に机の上にあったドリルをめくってみたら、すでに3ページほどやっていて、今のところ勉強好きとは言えない姫にとっては上出来である。
「あれっ、もうやったんだ」と姫に言ったら、「面白いんだよこれ」といって声を出して例文を読んではゲラゲラ笑っている。
例文ばかりが記憶に残って肝心の漢字の方はどうなんだろうという気もしないではないが、そういう心配はたぶん取り越し苦労で、何かを覚えるときは印象に残るものとセットで覚えるのがコツでもあるのだ。
まずは漢字に親しめるようになれば成功なんだろう。とにかく姫が自主的に喜んでドリルをやったという事実を目の当たりにして、なるほどと思ったものである。

大きな書店にはうんこばかり並べた特設コーナーまでできている。このアイディアを形にした出版社はしてやったりで、今年のボーナスは楽しみなことだろう。

昨日の北関東は明け方雨がぱらついたが、6時ころには上がってしまい、蒸し暑い梅雨空だったが雨には合わず、日がな一日子ども科学館に出かけてはじけてきた。
科学館ではじけるというのも妙竹林だが、科学の実験をするにも体全体を使うようなものもあるのだ。
館の外には飛び跳ねて遊べる芝生の広々とした公園が用意されていて、変わり自転車も置いてある。
家にかえってからはオセロの手合わせをしたが、特に手を抜いたつもりはないんだけれど2連敗してしまった。
「じいじはもう少し特訓しないとだめだね。夏休みに遊びに行くから頑張ってね」という声に見送られて帰ってきたのだ。

小3はこれまでと違って少し生意気なのである。



子ども科学館の宇宙船シュミレーターに乗り込んでマジックハンドの〝訓練〟を受ける姫。けっこう仰々しい装置で姫はとても神妙な顔をしていた。


頭を使ったので、体をほぐそうと変わり自転車に乗りにゆく姫と妹君の姉妹
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